アボットサンダーテスト(Abbot saunder’s test)
目的
アボットサンダーテストは横上腕靭帯(結節間溝を横方向に走る靭帯で横靭帯ともいう)の断裂及び上腕二頭筋長頭腱の脱臼を調べるテストです。
実施方法
1. 患者さんを座位にさせます。
2. 検者は患者さんの患側に立ち、一方の手で患者さんの後方から結節間溝と上腕二頭筋長頭の腱を触診します。
3. 検者はもう一方の手で患者さんの手首をつかみ、肩関節を約150°外転させ、赤色の矢印方向に最大限に外旋させます。
4. 検者はそのまま、患者さんの腕をゆっくりとベットに向かって(直下)降ろします。
5. 同様に反対側も実施します。
結果の評価
外旋状態を保ったまま腕をゆっくり降ろしたときに腱の脱臼を触診で確認できたり、クリック音がした場合は陽性反応で横上腕靭帯の断裂及び上腕二頭筋の長頭の脱臼が疑われます。
参考
上腕二頭筋の長頭は大結節(だいけっせつ)と小結節(しょうけっせつ)との間にある溝(結節間溝)を通りぬけ肩甲骨の肩甲骨関節上結節に付着しています。
それを覆うように横靭帯(横上腕靭帯)が存在します。
もし、横靭帯に何かしらの問題(断裂など)が生じてしまうと上腕二頭筋の長頭腱が結節間溝から脱臼してしまうことがあります。