坐骨(ざこつ)|坐骨結節とハムストリングス、坐骨神経痛との関係を徹底解説

坐骨(ざこつ)

英語名称

ischium(イスキアム)

解説

坐骨は、寛骨(かんこつ)の下部後方を形成する骨で、座ったとき(座位)に、座面に接触する場所にあたります。

坐骨の後下方には、坐骨結節(ざこつけっせつ)と呼ばれる『でっぱり』を触れることができますが、この部分は、尻もちをついたときに強打しやすい場所としても知られています。また、この坐骨結節は、ハムストリングス(大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋の総称)が起始していることで有名です。座っているときに、お尻の下で硬く感じる骨が、この坐骨結節です。

坐骨は、腸骨・恥骨とともに寛骨臼(かんこつきゅう)を形成し、大腿骨の大腿骨頭との間で股関節を作り出しています。閉鎖孔(へいさこう)と呼ばれる穴は、恥骨と坐骨で囲まれた孔で、寛骨臼の下方にあります。この穴の中を、閉鎖神経や閉鎖動静脈と呼ばれる血管が通過していますが、むき出しにはなっておらず、その多くは閉鎖膜(へいさまく)と呼ばれる膜で塞がれています。

坐骨と聞くと、坐骨神経痛をすぐに思い浮かべる方も多いと思いますが、実は、坐骨そのものは坐骨神経痛に直接関与しているわけではありません。坐骨神経痛は、さまざまな原因によって坐骨神経が刺激されて発症する、症状の総称です。原因の多くは、腰椎の椎間板が後方に飛び出して神経を圧迫する、いわゆる『腰椎椎間板ヘルニア』や、お尻の筋肉の一つである梨状筋が硬くなって坐骨神経を圧迫する『梨状筋症候群』などです。

主に起始する筋肉

上双子筋下双子筋大腿方形筋大内転筋半膜様筋半腱様筋大腿二頭筋(長頭)、梨状筋内閉鎖筋外閉鎖筋骨盤底筋群

主に停止する筋肉

なし

主に構成する関節

股関節

主な傷害

坐骨骨折、坐骨結節の裂離骨折など

「坐骨で座る」意識が腰や姿勢を守る

坐骨は、私たちが座るときに体重を受け止める、とても大切な骨です。この坐骨の使い方を意識することが、実は腰痛や姿勢の改善につながります。

正しく座れているとき、上半身の体重は、左右の坐骨結節(お尻の下にある2つの硬い出っぱり)に、バランスよく乗ります。この「坐骨で座る」状態だと、背骨が自然なS字カーブを保ちやすく、腰への負担が少なくなります。逆に、お尻が前にずれて背中を丸めた「仙骨で座る」ような姿勢になると、坐骨ではなく仙骨や尾骨に体重がかかり、背骨のカーブが崩れて、腰や首に負担が集中してしまいます。長時間のデスクワークで腰が痛くなりやすい方は、一度、自分が「坐骨で座れているか」を意識してみるとよいでしょう。椅子に深く腰かけ、左右のお尻の下にある坐骨結節に均等に体重を乗せ、骨盤を立てるイメージを持つのがポイントです。

なお、坐骨結節には、ハムストリングス(太もも裏)が付着しているため、スポーツでの急なダッシュなどで、成長期の子どもでは坐骨結節の裂離骨折(剥離骨折)を起こすこともあります。お尻の付け根の痛みが続く場合は、整形外科に相談しましょう。

まとめ

坐骨は、寛骨の後下部をつくる骨で、座ったときに座面に当たる坐骨結節があり、ここにハムストリングスが付着します。腸骨・恥骨とともに寛骨臼を形成し、股関節の一部となります。名前は似ていますが、坐骨そのものは坐骨神経痛の直接の原因ではありません。「坐骨で座る」意識は腰の負担軽減に役立ちます。お尻の付け根の痛みが続く場合は、整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

様々な骨と関節

骨や関節のトラブル

骨と関節の基礎知識

KindleBook

canvas2_1
previous arrow
next arrow
ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!