膝蓋骨(しつがいこつ)|膝のお皿のしくみ・役割と膝蓋骨脱臼などの障害を徹底解説

膝蓋骨(しつがいこつ)

英語名称

patella(パテラ)

解説

膝蓋骨(しつがいこつ)は、膝の前面にある扁平な骨で、膝の前面を保護しています。人体の中では最大の種子骨(しゅしこつ:腱の中に存在する骨)で、その形状から、一般に「膝のお皿」として知られています。

膝蓋骨は、上方では大腿四頭筋腱に付着し、下方では膝蓋靭帯を介して脛骨粗面につながっています。つまり膝蓋骨は、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の力を、すねの骨へと伝える、中継地点の役割を担っています。

膝蓋骨の裏側(大腿骨と接する面)には、関節軟骨と呼ばれるなめらかな軟骨があり、これがあることで、膝蓋骨は大腿骨の膝蓋面を滑るように動くことができます。この膝蓋骨の滑らかな動きが、膝関節の曲げ伸ばしを助けているのです。

主に起始する筋肉

なし

主に停止する筋肉

大腿四頭筋大腿直筋内側広筋外側広筋中間広筋

主に構成する関節

膝関節

主な傷害

膝前部痛症候群(ひざぜんぶつうしょうこうぐん)、膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)、膝蓋大腿関節不安定症(膝蓋骨脱臼)など

膝のお皿は「力を伝える滑車」|トラブルと予防

膝蓋骨(膝のお皿)は、ただ膝の前を守っているだけの骨ではありません。実は、太ももの筋力を効率よくすねに伝えるための「滑車(てこ)」として、とても重要な働きをしています。この役割を知ると、お皿まわりのトラブルが理解しやすくなります。

大腿四頭筋がすねの骨を引き上げて膝を伸ばすとき、間に膝蓋骨があることで、力の向きが変わり、少ない力で効率よく膝を伸ばせるようになっています。お皿がなければ、膝を伸ばす力は大きく落ちてしまうほど、重要なパーツなのです。その一方で、膝蓋骨は、大腿骨の溝の上を毎日くり返し滑って動くため、トラブルも起こりやすい場所です。代表的なのが、お皿の裏の軟骨がすり減って痛む「膝蓋軟骨軟化症」、膝の使いすぎで前が痛む「膝前部痛症候群(膝蓋大腿疼痛症候群)」、そして、お皿が外側に外れてしまう「膝蓋骨脱臼」などです。

これらのトラブルには、お皿の動きの「軌道(きどう)」が深く関わっています。特に、太ももの内側の筋肉(内側広筋)が弱かったり、O脚・X脚などで脚の並びが崩れていたりすると、お皿が外側に引っ張られやすく、痛みや脱臼の原因になります。予防には、内側広筋を意識した太ももの筋トレや、お尻まわりの筋力強化、太もも前面のストレッチが役立ちます。膝のお皿まわりの痛みや、外れそうな不安感が続く場合は、自己判断せず整形外科に相談しましょう。

まとめ

膝蓋骨(膝のお皿)は、人体最大の種子骨で、大腿四頭筋の力をすねに伝える「滑車」として、膝の曲げ伸ばしを効率化する重要な骨です。裏側の軟骨により大腿骨の上を滑らかに動きますが、その軌道が崩れると、膝蓋軟骨軟化症や膝前部痛、膝蓋骨脱臼などを起こします。内側広筋の強化などが予防に役立ちます。お皿まわりの痛みや不安感が続く場合は、整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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