足の痺れや痛みが続く場合は神経が圧迫されている可能性も|原因となる病気(腓骨神経麻痺・足根管症候群・モートン病)と対処法を徹底解説

足のしびれ

足のしびれは、誰しもが一度や二度は体験したことがあるのではないでしょうか。特に日本人は古くから正座をする習慣があるので、日頃から正座をする方は、足のしびれが発生しやすいかもしれません。

足に存在する神経は皮膚から近いところにあり、また狭いところに集中しているので、正座などの座り方をすると、自分の体重の重みで神経や血管を強く圧迫してしまい、しびれを誘発します。

このような一時的なしびれは、時間の経過とともに解消されるのですが、もし、しびれがいつまでも続くようなら、他のトラブル(神経が圧迫される病気)の前触れかもしれません。ここでは、足のしびれを引き起こす代表的な病気を紹介します。

様々な下肢のしびれの原因と特徴

1. 腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)

腓骨神経麻痺は、足の甲(足背)にしびれが発生するのが特徴です。下腿部には細長い2本の骨があり、内側(母趾側)を脛骨(けいこつ)、外側の骨を腓骨(ひこつ)といいます。総腓骨神経は腓骨に沿うように存在し、特に膝の外側・裏側あたり(腓骨頭)は皮膚に近いため、外部からの圧迫に弱いという特徴があります。

腓骨神経麻痺の初期症状は、下腿外側から足の甲(第5趾/小指を除く)にしびれを感じますが、やがて麻痺を伴うようになります。足首や足指を甲側へ持ち上げる(背屈する)力が弱くなり、足先が垂れ下がる「下垂足(かすいそく)」になると、つま先が引っかかってつまずきやすくなり、足を高く上げてつま先を投げ出すように歩く「鶏歩(けいほ)」と呼ばれる歩き方になります。引きずるような歩き方をしているようなら、腓骨神経麻痺を疑う必要があります。

腓骨神経が圧迫される要因としては、主に外部からの圧迫が考えられます。例えば、ハイソックスを長時間着用していたら足のしびれが出た、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ハイソックスのゴムによる締め付けが強すぎると、腓骨神経が圧迫されてしびれる可能性が高くなります。その他にも、『寝たきりの生活を余儀なくされている方』『ケガでギプスを装着している方』『脂肪や筋肉量の少ない方が脚を長時間組む』『急激に体重が減った方』なども、腓骨神経が圧迫される原因になります。

2. 脛骨神経麻痺(足根管症候群)

脛骨神経麻痺(けいこつしんけいまひ)は、足の裏にしびれが発生する症状で、ひどくなると立ち上がるのが困難になることもあります。これは手でいう手根管症候群によく似ており、足の内くるぶし(内果)の下にある足根管(そっこんかん)というトンネルの中を通る後脛骨神経が圧迫されて起きる疾患です(脛骨神経麻痺は別名、足根管症候群とも言います)。

後脛骨神経は足の裏の感覚を司る神経なので、足根管症候群のしびれは足の裏に限定されるのが特徴です。そのため、足裏が床や道路に触れる際に強い痛みやしびれを感じ、しばらくその場で立てなくなってしまうこともあります。足根管症候群になると、内くるぶしの下方を軽くたたくだけでも足の裏に電気が走るように響きます(チネル徴候)。予防には、普段から足への圧迫を防ぐことが大切です。

3. モートン病

歩行時に痛みを伴う症状に『モートン病』と呼ばれる傷病があり、足指の付け根(特に第3趾と第4趾の間に多い)で痛みやしびれが誘発されます。この部分にある靭帯や、『ガングリオン』と呼ばれる良性のしこり(腫瘤)によって神経が圧迫されることで発症します。

モートン病の特徴の一つとして、痛みやしびれが足指の付け根の一部に局所的に現れ、他の部分には広がりにくいという点があります。そのため、比較的見当をつけやすい傷病だといえます。歩行時に足指の付け根あたりにしびれや痛みを感じる場合は、モートン病を疑ってみてください。症状が長く続くようなら、日頃の習慣(ハイヒールを常用する、しゃがんだ姿勢で長時間作業するなど)を見直す必要があります。

足のしびれは「腰」が原因のこともある

ここまで紹介した腓骨神経麻痺・足根管症候群・モートン病は、いずれも足や脚など「末梢(まっしょう)」で神経が圧迫されて起こるものです。しかし、足のしびれの原因は、足だけにあるとは限りません。実は、腰の神経が圧迫されることで、足にしびれが出ることもよくあります。

代表的なのが、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症です。これらは、背骨(腰椎)の中や出口で神経が圧迫され、その神経がつながっているお尻から太もも・ふくらはぎ・足先にかけて、しびれや痛みが放散します(坐骨神経痛)。腰由来のしびれは、腰やお尻の痛みを伴ったり、前かがみ・反り返りなど腰の姿勢で症状が変わったり、長く歩くとしびれて休むと楽になる(間欠性跛行)といった特徴がみられることがあります。

つまり、「足のしびれ=足の病気」と決めつけてしまうと、本当の原因(腰)を見逃してしまうことがあるのです。しびれの出る場所(足の甲・足裏・足指・脚全体など)や、姿勢による変化、腰の症状の有無などが、原因を見分ける手がかりになります。自己判断は難しいため、しびれが続く場合は整形外科などの医療機関を受診し、適切に原因を調べてもらうことが大切です。

痛みやしびれに薬を使っても、原因を取り除かなければ

この他にも足のしびれの原因は複数ありますが、いずれの傷病も、圧迫されている原因を取り除かなければ症状はなかなか改善されません。痛みやしびれに対して鎮痛剤などを使用しても、原因を取り除かなければ再発しやすくなります。

しびれの治療法としては薬物療法が一般的ですが、症状によっては装具やリハビリ、場合によっては外科的な手術が必要になることもあります。何にせよ、こうした症状を招く前に、日頃から無理な動作や圧迫を避けるように気をつけましょう。また、きつすぎる靴下・靴を避けることも大切で、ファッション性よりも機能性を重視するようにしたいものです。このように、足に負担がかかる生活を避けることが、何よりも大切になります。

まとめ

足のしびれは正座などで一時的に起こるものが多いですが、続く場合は神経が圧迫される病気の可能性があります。足の甲なら腓骨神経麻痺(下垂足)、足の裏なら足根管症候群、足指の付け根ならモートン病が代表的です。また、腰椎椎間板ヘルニアなど「腰」が原因のこともあります。いずれも原因を取り除くことが大切なので、しびれが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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