正中環軸関節・外側環軸関節(せいちゅう・がいそくかんじくかんせつ)|首を回す関節のしくみを徹底解説

正中環軸関節・外側環軸関節(せいちゅうかんじくかんせつ・がいそくかんじくかんせつ)

英語名称

median atlanto-axial joint / lateral atlanto-axial joint(ミディアン・アトラントアクシアル・ジョイント/ラテラル・アトラントアクシアル・ジョイント)

関節の分類

正中環軸関節:車軸関節(しゃじくかんせつ)/外側環軸関節:平面関節(へいめんかんせつ)

解説

脊柱の上位2つの骨は、第一頚椎・第二頚椎ですが、これらにはそれぞれ異なる呼び名があります。第一頚椎は環椎(かんつい)、第二頚椎は軸椎(じくつい)と呼ばれています。

環椎・軸椎は、頚椎の回旋運動(首を左右に回す動き)を確保するために、他の頚椎の椎骨とは、かなり異なる形状をしています。また、環椎と軸椎の間には、他の椎骨間とは異なり、椎間板と椎間関節がないというのも、大きな特徴の一つです。その代わりに、『正中環軸関節(せいちゅうかんじくかんせつ)』と『外側環軸関節(がいそくかんじくかんせつ)』という2つの関節によって、環椎と軸椎は連結されています。

  1. 正中環軸関節(せいちゅうかんじくかんせつ)
    軸椎から上方に伸びる歯突起(しとっき)が軸となり、その前面と環椎の歯突起窩(しとっきか:環椎前弓の後面)との間、および歯突起の後面と環椎横靭帯との間で構成される車軸関節です。関節包はゆるく、外側環軸関節と協力して働き、頭蓋骨と環椎を一体として左右に回旋させます。
  2. 外側環軸関節(がいそくかんじくかんせつ)
    環椎の下関節面(かかんせつめん)と、軸椎の上関節面(じょうかんせつめん)が連結する平面関節です。ゆるい関節包に包まれています。

正中環軸関節と外側環軸関節が互いに協力して働くことで、軸椎の歯突起を軸として、環椎が回旋します。環椎の上には頭蓋骨が乗っているため、結果として、頭部を左右に振り向かせることができるのです。実に、頚椎全体の回旋動作のうち、約50%が、この環椎・軸椎間で行われているといわれています。

関節の傷害

頚椎捻挫(むち打ち)、環軸椎亜脱臼、歯突起骨折など

「振り向く」を支える首の特別な関節|環軸関節

正中環軸関節・外側環軸関節(あわせて環軸関節)は、私たちが「振り向く」という、何気ない動作を支える、とても特別で精巧な関節です。このしくみを知ると、首の動きの巧みさと、その繊細さがよくわかります。

首を左右に回す回旋運動のうち、約半分を、この環軸関節が一手に引き受けています。ポイントは、軸椎から突き出た「歯突起」という、まるで「回転軸の棒」のような突起です。この棒を軸にして、その上に乗った環椎と頭蓋骨が、くるりと回転するのです。そして、この回転軸がずれて脊髄を傷つけないように、「環椎横靭帯」という丈夫な靭帯が、歯突起を後ろからしっかりと押さえています。つまり、大きく動くのに、脊髄(神経)はしっかり守る、という高度な両立を実現しているのです。

一方で、この関節は、大きく動くぶん、強い衝撃には弱い面もあります。交通事故などで首に急な力が加わると、「むち打ち(頚椎捻挫)」を起こしたり、まれに歯突起の骨折や、環椎横靭帯の損傷による「環軸椎亜脱臼」を起こしたりすることがあります。また、関節リウマチがあると、この部分の靭帯がゆるみ、環軸椎亜脱臼を起こしやすくなることも知られています。首の回旋は、無理にゴリゴリと鳴らしたり、勢いよく回したりすると負担がかかるため、避けたほうがよいでしょう。事故やケガのあと、首の強い痛みや、手足のしびれ・力の入りにくさを伴う場合は、重大な損傷の可能性もあるため、首を動かさず、速やかに医療機関を受診してください。

まとめ

正中環軸関節・外側環軸関節(環軸関節)は、環椎(第1頚椎)と軸椎(第2頚椎)をつなぐ関節で、正中は車軸関節、外側は平面関節です。軸椎の歯突起を軸に環椎と頭が回転することで「振り向く」動きを生み、首の回旋の約半分を担います。環椎横靭帯が脊髄を守る要となります。事故後の首の痛みや手足のしびれを伴う場合は、首を動かさず速やかに医療機関を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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