頭蓋骨(ずがいこつ)|脳頭蓋・顔面頭蓋のしくみと縫合・唯一動く顎関節を徹底解説

頭蓋骨(ずがいこつ)

英語名称

skull(スカル)

解説

頭蓋骨は、脳を覆う半球形の『脳頭蓋(のうとうがい)』と、顔面を形成する『顔面頭蓋(がんめんとうがい)』の二つに分類されます。

脳頭蓋は、前頭骨(ぜんとうこつ)、頭頂骨(とうちょうこつ:左右1対)、後頭骨(こうとうこつ)、側頭骨(そくとうこつ:左右1対)、蝶形骨(ちょうけいこつ)の5種7個の骨で構成されています。

前頭骨は、脳頭蓋の前面にある骨で、外面では額や眉、眼球が収まる眼窩(がんか)の上壁などを形成しています。頭頂骨は、脳の上側を覆う1対の骨で、矢状縫合(しじょうほうごう)で左右が結合しています。後頭骨は、後頭部にある骨で、上方はラムダ縫合で頭頂骨と、側方では側頭骨と結合しています。側頭骨は、左右の側頭部にある1対の骨です。蝶形骨は、頭蓋骨の中央に位置する骨で、眼窩の後壁などを形成しています。

顔面頭蓋は、上顎骨(じょうがくこつ:左右1対)、下顎骨(かがくこつ)、篩骨(しこつ)、口蓋骨(こうがいこつ:左右1対)、鼻骨(びこつ:左右1対)、鋤骨(じょこつ)、頬骨(きょうこつ:左右1対)、涙骨(るいこつ:左右1対)、下鼻甲介(かびこうかい:左右1対)、舌骨(ぜっこつ)の、10種16個の骨で構成されています。

上顎骨は上顎(うわあご)の骨です。下顎骨は下顎(したあご)を形成する馬蹄形の骨で、側頭骨の下顎窩(かがくか)と連結し、頭蓋骨で唯一の可動性のある関節である顎関節を形成しています。篩骨は、前頭蓋窩の中央部に位置する骨です。口蓋骨は、上顎骨の後方に位置する1対の骨です。鼻骨は、眉間の直下に位置する1対の骨です。鋤骨は、鼻の深部に位置し、篩骨の垂直板とともに鼻腔を左右に分けている骨です。頬骨は、頬の盛り上がりを形成している左右1対の骨です。涙骨は、眼窩の内壁前部を形成する左右1対の薄い板状の骨です。下鼻甲介は、鼻腔の側壁から垂れ下がった細長い骨です。舌骨は、首の前面上部で甲状軟骨(のどぼとけ)の上に存在する、U字型の独立した骨です。

このように、頭蓋骨には様々な骨があり、そのほとんどは「縫合(ほうごう)」と呼ばれる不動結合によって、しっかりと組み合わさって頭蓋骨を形づくっています。

頭蓋骨の縫合と、唯一動く「顎関節」

頭蓋骨の大きな特徴は、多くの骨が「縫合(ほうごう)」というギザギザにかみ合った継ぎ目でつながり、ほとんど動かない構造になっている、という点です。これには、大切な意味があります。

頭蓋骨の最も重要な役割は、内部の脳という、生命にとって最も大切で繊細な器官を、外部の衝撃から守ることです。そのため、脳頭蓋の骨どうしは、縫合によってがっちりと固定され、ヘルメットのように強固な「容れ物」を形づくっています。なお、生まれたばかりの赤ちゃんでは、この縫合がまだ完成しておらず、骨と骨の間に「泉門(せんもん:いわゆる大泉門・ペコペコする部分)」というすき間があります。これは、出産時に頭が産道を通りやすいように、また、生後の急激な脳の成長に対応できるようにするためで、成長とともに閉じていきます。

そして、これだけ多くの骨ががっちり固定された頭蓋骨の中で、唯一しっかりと動くのが「顎関節(がくかんせつ)」です。下顎骨と側頭骨の間にあるこの関節のおかげで、私たちは口を開け閉めし、食べる・話すといった動作ができます。顎関節は毎日頻繁に使われるため、トラブルも起こりやすく、口を開けると音がする・痛む・大きく開けられないといった「顎関節症」は、現代人に多くみられます。こうした症状が続く場合は、歯科口腔外科などに相談するとよいでしょう。

まとめ

頭蓋骨は、脳を守る脳頭蓋(5種7個)と、顔をつくる顔面頭蓋(10種16個)からなります。多くの骨は「縫合」という不動結合でがっちり固定され、脳を守る強固な容れ物となっています。その中で唯一しっかり動くのが、食べる・話すを支える「顎関節」です。顎の痛みや開けにくさが続く場合は、顎関節症などの可能性があるため、歯科口腔外科などに相談しましょう。

参考文献・出典

・日本顎関節学会https://kokuhoken.net/jstmj/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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