中足骨・趾骨(ちゅうそくこつ・しこつ)

英語名称

metatarsals / phalanges(メタターサルズ・ファランジィズ)

解説

足の付け根(かかと側)には、距骨・踵骨・舟状骨(しゅうじょうこつ)・立方骨(りっぽうこつ)・楔状骨(けつじょうこつ)をはじめとする7個の短骨があります。これらを総称して、足根骨(そっこんこつ)といいます。

この足根骨の遠位部(つま先側)にあるのが、中足骨(ちゅうそくこつ)です。中足骨は、足の甲と足底(そくてい)を形成し、母趾(親指)から小趾(小指)までの指の付け根にあたる骨で、内側(母趾側)から第1〜第5まで、5本の中足骨が存在します。

中足骨より遠位部(指先側)には、それぞれの指に趾骨(しこつ:足の指の骨)があります。多くの指には3本ずつの趾骨がありますが、母趾だけは例外で、2本の趾骨しかありません。足の指を形成する趾骨は、全部で14個の短骨からなります。

各骨の間には、関節があります。中足骨と趾骨(基節骨)の間は、中足趾節関節(MP関節)、基節骨と中節骨の間は近位趾節間関節(PIP関節)、中節骨と末節骨の間は遠位趾節間関節(DIP関節)と呼ばれます。母趾は趾骨が2本のため、趾節間関節は一つしかなく、IP関節と呼ばれます。

主に起始する筋肉

母趾内転筋短小趾屈筋小趾対立筋底側骨間筋背側骨間筋

主に停止する筋肉

前脛骨筋長腓骨筋短腓骨筋第三腓骨筋長母趾屈筋短母趾屈筋長趾屈筋短趾屈筋長母趾伸筋短母趾伸筋長趾伸筋短趾伸筋短小趾屈筋母趾内転筋母趾外転筋小趾外転筋虫様筋底側骨間筋背側骨間筋

主に構成する関節

リスフラン関節(足根中足関節)、中足趾節関節(MP関節)、近位趾節間関節(PIP関節)、遠位趾節間関節(DIP関節)、母趾の趾節間関節(IP関節)、中足間関節

主な傷害

外反母趾、内反小趾、中足骨疲労骨折など

中足骨・趾骨は「歩く・蹴り出す」を支える前足部

中足骨と趾骨は、足の前半分(前足部)をつくる骨で、私たちが歩いたり走ったりするとき、最後に地面を「蹴り出す」という、とても重要な役割を担っています。この働きを知ると、足指のトラブルが理解しやすくなります。

歩くとき、足はかかとから着地し、足裏全体に体重が移り、最後に親指の付け根(第1中足骨の先)で地面を蹴って前に進みます。このとき、中足骨の先端(中足骨頭)と足の指が、バネのようにしなって推進力を生み出します。だからこそ、この前足部には、歩くたびに大きな力が集中し、さまざまなトラブルが起こりやすいのです。代表的なのが、親指が小指側に「く」の字に曲がる「外反母趾」、小指が内側に曲がる「内反小趾」、そして、長距離のランニングなどで中足骨に細かいひびが入る「中足骨疲労骨折(行軍骨折)」などです。

これらの多くには、足のアーチの崩れ(開張足など)や、合わない靴(つま先の細い靴やハイヒール)が関わっています。予防には、足指をしっかり使って歩くこと、足指のグー・パー運動やタオルギャザーで足裏の筋肉を鍛えること、つま先にゆとりのある靴を選ぶことが役立ちます。足の指の付け根の痛みや変形が気になる場合は、自己判断せず、整形外科に相談しましょう。

まとめ

中足骨は足の甲をつくる5本の骨、趾骨は足の指の骨で、母趾だけ2本、他は3本ずつの計14個からなります。これらが前足部を形づくり、MP・PIP・DIP関節を構成して、歩行時に地面を蹴り出す働きを担います。負担が集中しやすく、外反母趾・内反小趾・中足骨疲労骨折などを起こしやすい部位です。足指の運動や靴選びが予防に役立ち、痛みや変形が続く場合は整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会「外反母趾」https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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