中手骨・指骨(ちゅうしゅこつ・しこつ)|手の甲と指の骨のしくみ・ボクサー骨折や槌指を徹底解説

中手骨・指骨(ちゅうしゅこつ・しこつ)

英語名称

metacarpals / phalanges(メタカーパルズ・ファランジィズ)

解説

手の付け根(手首側)には、舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨をはじめとする8個の短骨があります。これらを総称して、手根骨(しゅこんこつ)といいます。この手根骨の遠位部(指先側)にあるのが、中手骨(ちゅうしゅこつ)です。

中手骨は、手の甲と掌(てのひら)を形成し、母指(親指)から小指までの指の付け根にあたる骨で、母指側から第1〜第5まで、5本の中手骨が存在します。

中手骨より遠位部(指先側)には、それぞれの指に指骨(しこつ)があります。多くの指には3本ずつの指骨(基節骨・中節骨・末節骨)がありますが、母指だけは例外で、2本(基節骨・末節骨)しかありません。手の指を形成する指骨は、全部で14個の短骨からなります。

各骨の間には、関節があります。中手骨と手根骨の間は手根中手関節(CM関節)、中手骨と基節骨の間は中手指節関節(MP関節)、基節骨と中節骨の間は近位指節間関節(PIP関節)、中節骨と末節骨の間は遠位指節間関節(DIP関節)と呼ばれます。母指は指骨が2本のため、指節間関節は一つしかなく、IP関節と呼ばれます。特に、母指の付け根のCM関節(母指手根中手関節)は、よく動く鞍関節で、母指を他の指と向かい合わせる動き(対立)を可能にし、物をつまむ動作の要となっています。

主に起始する筋肉

中手骨:短母指屈筋(深頭の一部)、母指内転筋、掌側骨間筋、背側骨間筋
指骨:なし

主に停止する筋肉

橈側手根屈筋尺側手根屈筋尺側手根伸筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、長母指外転筋母指対立筋小指対立筋

主に構成する関節

手根中手関節(CM関節)、中手指節関節(MP関節)、近位指節間関節(PIP関節)、遠位指節間関節(DIP関節)、母指の指節間関節(IP関節)、中手間関節

主な傷害

ボクサー骨折(中手骨頸部骨折)、MP関節脱臼、PIP関節脱臼骨折、槌指(マレットフィンガー)、突き指など

中手骨・指骨は「物をつかむ・つまむ」を支える骨|手のケガに注意

中手骨と指骨は、手の甲から指先までを形づくる骨で、私たちが「物をつかむ・つまむ・操作する」という、人間ならではの精巧な手の動きを支えています。この役割を知ると、手や指のケガの理解が深まります。

手の動きの中心となるのが、関節です。指の付け根のMP関節は、指を曲げ伸ばしするだけでなく、指を開いたり閉じたりもでき、指の間のPIP関節・DIP関節は、指をしっかり握り込むのに働きます。そして何より重要なのが、母指の付け根のCM関節です。この関節のおかげで、母指を他の4本の指と向かい合わせることができ(対立)、ペンを持つ、箸を使う、ボタンをかけるといった、繊細な作業が可能になっているのです。

一方で、手や指は、日常やスポーツでケガをしやすい部位です。代表的なのが、握りこぶしで物を強く殴ったときに、小指側の中手骨が折れる「ボクサー骨折」、ボールが指先に当たって、第一関節が曲がったまま伸びなくなる「槌指(マレットフィンガー)」、いわゆる「突き指(指の関節の捻挫や靭帯損傷、骨折)」などです。突き指は、軽く考えて引っ張ったりすると悪化することがあり、中には骨折や腱の断裂が隠れていることもあります。指が腫れて曲げ伸ばしできない、변形している、強い痛みが続く場合は、自己判断せず整形外科を受診しましょう。手は、生活の質に直結する大切な部位なので、早めの適切な治療が肝心です。

まとめ

中手骨は手の甲をつくる5本の骨、指骨は手の指の骨で、母指だけ2本、他は3本ずつの計14個からなります。これらがCM・MP・PIP・DIP関節を構成し、特に母指のCM関節は「つまむ」動作の要となります。ボクサー骨折や槌指、突き指など、ケガの多い部位です。指の腫れや変形、強い痛みが続く場合は、引っ張ったりせず、整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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