肋骨(ろっこつ)

英語名称

rib(リブ)

解説

肋骨は、俗にいう『あばら骨』のことです。肋骨は左右に12対、つまり合計24本あります。肋骨は一見すると棒状に見えますが、実は肩甲骨と同じく扁平骨(へんぺいこつ)です。

第一肋骨と第十二肋骨は、肋骨の中では短く、第七肋骨あたりが最も長いといわれています。12対ある肋骨のうち、11番目と12番目の肋骨は『浮肋(ふろく)』と呼ばれ、前側で胸骨(の肋軟骨)に連結していないので、他の肋骨に比べて自由度があります。

基本的には、肋骨が長いと、それに伴って胸郭も大きくなりますが、肋骨の弯曲の仕方には個人差がとても大きいので、肋骨が長いからといって、必ずしも胸郭が大きいわけではありません。

胸郭(きょうかく)があることで、外部からの衝撃から内臓を守ることができるのですが、肋骨は扁平で体表近くにあるので、強い衝撃が加わると折れやすい部分でもあります。高齢の方が、風邪などで咳をし続けると、肋骨が疲労骨折してしまうことがあるのも、よく知られています。

肋骨が折れると、胸郭の動きに制限が出るため、呼吸をするときにかなりの痛みを伴い、呼吸も浅くなりがちです。さらに、最悪の場合、折れた肋骨が内臓(肺など)を傷つけてしまうことがあり、時には生命に関わることもあります。

肋骨は、後方で胸椎との間に肋椎関節を構成し、前方では胸骨との間に、肋軟骨(硝子軟骨で形成されています)を介して胸肋関節を構成しています。これらの関節が、呼吸に伴う胸郭の動きを可能にしています。

主に起始する筋肉

大胸筋前鋸筋小胸筋、鎖骨下筋、外腹斜筋、頚腸肋筋、胸腸肋筋、外肋間筋、内肋間筋、横隔膜広背筋腹横筋

主に停止する筋肉

外肋間筋、内肋間筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋、上後鋸筋、下後鋸筋、前斜角筋中斜角筋後斜角筋内腹斜筋腹直筋腰方形筋

主に構成する関節

胸肋関節、肋椎関節

主な傷害

肋骨骨折、肋骨疲労骨折、肋軟骨炎など

肋骨は「内臓を守る鳥かご」であり「呼吸を動かすふいご」

肋骨は、ただ胸を囲んでいるだけの骨ではありません。「内臓を守る」働きと、「呼吸を助ける」働きという、2つの大切な役割を担っています。この2つを知ると、肋骨のしくみがよく理解できます。

1つ目は、内臓を守る働きです。左右24本の肋骨は、背中の胸椎と、前面の胸骨とつながって、「胸郭(きょうかく)」という鳥かごのような骨格をつくります。この胸郭が、心臓や肺といった、生命に直結する大切な臓器を、外部の衝撃からぐるりと囲んで守っているのです。2つ目は、呼吸を助ける働きです。肋骨は、後ろの肋椎関節を支点にして、呼吸のたびに上下に動いています。息を吸うときは、肋間筋(肋骨の間の筋肉)や横隔膜の働きで肋骨が引き上げられ、胸郭が広がって、肺に空気が入ります。逆に、息を吐くときは肋骨が下がり、胸郭が縮みます。つまり肋骨は、空気を出し入れする「ふいご(ポンプ)」のように働いているのです。

一方で、肋骨は体表に近く、衝撃に弱いため、トラブルも起こりやすい骨です。転倒や打撲による「肋骨骨折」のほか、激しい咳を繰り返すことによる「疲労骨折」、つなぎ目の軟骨に炎症が起きる「肋軟骨炎」などがあります。肋骨は、心臓や肺のすぐそばにあるため、強くぶつけたあとに、息苦しさや、深呼吸・咳での強い痛みが続く場合は、肺など内臓へのダメージが隠れていることもあります。胸の痛みや息苦しさが強い場合は、自己判断せず、医療機関を受診しましょう。

まとめ

肋骨(あばら骨)は、左右12対・計24本の扁平骨で、胸椎・胸骨とともに「胸郭」をつくり、心臓や肺を守ります。また、呼吸のたびに上下に動いて、肺の空気の出し入れを助ける「ふいご」の役割も担います。体表に近く折れやすい骨で、咳でも疲労骨折することがあります。胸を強く打ったあと、息苦しさや強い痛みが続く場合は、医療機関を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

KindleBook

canvas2_1
previous arrow
next arrow




ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!