恥骨(ちこつ)|恥骨結合のしくみや内転筋・骨盤底筋との関係、関連する障害を徹底解説

恥骨(ちこつ)

英語名称

pubis(ピュービス)

解説

恥骨は、寛骨(かんこつ)の下前部を形成する骨で、股間の前部中央で触れることができます。恥骨筋や大内転筋などの内転筋群、骨盤の底を支える骨盤底筋群が起始(付着)している場所でもあります。

前方端の恥骨結合面では、左右の恥骨が線維軟骨性の恥骨結合によってつながっていて、恥骨どうしがぶつかり合って傷つくことを防いでいます。この恥骨結合は、わずかにクッションの役割を果たしており、特に女性では、出産の際にホルモンの影響で少しゆるみ、産道を広げる助けになります。

恥骨結合の付近は、細菌感染による炎症(恥骨結合炎)が発症しやすい部分として知られています。また、高齢者が転倒したときに、恥骨は骨折しやすい部分としても知られています。

主に起始する筋肉

恥骨筋大内転筋長内転筋短内転筋薄筋腹直筋内閉鎖筋外閉鎖筋骨盤底筋群

主に停止する筋肉

腹横筋

主に構成する関節

股関節

主な傷害

恥骨骨折、恥骨結合炎(恥骨骨炎)など

恥骨はスポーツ・出産・転倒で痛めやすい骨

恥骨は、普段あまり意識することのない骨ですが、実は「スポーツ」「出産」「転倒」といった場面で、トラブルを起こしやすい骨でもあります。それぞれの場面を知っておくと、恥骨の役割や注意点が見えてきます。

まずスポーツでは、サッカーやラグビーなど、ボールを蹴る・急に方向転換するといった動作の繰り返しで、恥骨結合やその周辺に負担が集中し、「恥骨結合炎(恥骨骨炎)」を起こすことがあります。これは、恥骨に付着する内転筋群などが、くり返し引っ張ることが一因とされ、内ももや下腹部の痛みとして現れます。次に出産では、前述のとおり、恥骨結合がホルモンの影響でゆるむため、妊娠後期から産後にかけて、恥骨やその周辺が痛むことがあります。そして高齢者では、転倒の際に恥骨を骨折することが多く、特に骨粗鬆症があると、軽い転倒でも骨折しやすくなります。

このように、恥骨は、年代や場面に応じて、さまざまなトラブルを起こします。恥骨やその周辺(内もも・下腹部)の痛みが続く場合は、スポーツでも産後でも、また転倒後でも、自己判断で我慢せず、整形外科を受診して原因を確かめてもらうことが大切です。

まとめ

恥骨は、寛骨の前下部をつくる骨で、左右が線維軟骨性の恥骨結合でつながっています。内転筋群や骨盤底筋群が付着し、股関節を構成する一部でもあります。スポーツによる恥骨結合炎、出産に伴う痛み、高齢者の転倒による恥骨骨折など、年代や場面に応じてトラブルを起こしやすい骨です。恥骨や内もも・下腹部の痛みが続く場合は、整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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