仙骨・尾骨(せんこつ・びこつ)|骨盤の中心となる骨のしくみ・仙腸関節と尾てい骨打撲を徹底解説

仙骨・尾骨(せんこつ・びこつ)

英語名称

sacrum / coccyx(セイクラム・コクシクス)

解説

仙骨は、脊柱の下部にある大きな骨で、5つの仙椎(せんつい)が癒合(ゆごう)してできた骨です。通常、思春期頃から癒合が始まり、30歳前後までには完全に骨化して、一つの骨となります。

尾骨は、仙骨の下端にあり、3〜5個程度の尾椎(びつい)が、仙骨の骨化と同じ時期に癒合して、一つの骨となります。いわゆる「尾てい骨(びていこつ)」のことで、人間にしっぽ(尾)があった名残とされる骨です。

仙骨は、上方で第5腰椎と腰仙関節(ようせんかんせつ)を構成し、左右の側面では、寛骨との間で仙腸関節(せんちょうかんせつ)を構成しています。また、仙骨と尾骨の間は、仙尾関節(せんびかんせつ)を構成しています。左右の寛骨と、この仙骨・尾骨が合わさって、骨盤を形づくっています。

一般に、仙骨は男女差がとても大きく、女性は仙骨の幅が広く、男性は仙骨の後方への傾きが強い傾向にあります。これは、出産に関わる骨盤の形の違いを反映したものです。

主に起始する筋肉

大殿筋広背筋梨状筋、胸最長筋、腰腸肋筋、多裂筋

主に停止する筋肉

骨盤底筋群

主に構成する関節

腰仙関節仙腸関節、仙尾関節

主な傷害

尾骨骨折(尾てい骨打撲)、仙腸関節障害、仙骨の脆弱性骨折など

仙骨は「骨盤の要石」、尾骨は「転倒で痛めやすい骨」

仙骨と尾骨は、背骨の一番下にあって、あまり目立たない骨ですが、それぞれに大切な役割と、注意すべきトラブルがあります。両者の特徴を知っておくと、お尻まわりの痛みを理解しやすくなります。

まず仙骨は、骨盤の「要石(かなめいし)」とも呼べる、中心的な存在です。上半身の重みは、背骨を通って仙骨に集まり、そこから左右の仙腸関節を介して、両脚へと伝えられます。つまり仙骨は、上半身と下半身の間で、体重を受け渡す「中継地点」なのです。この仙腸関節がうまく働かなくなると、お尻や腰の境目あたりに痛みが出る「仙腸関節障害」を起こすことがあります。原因のはっきりしない、お尻のあたりの痛みが続く場合は、この仙腸関節が関わっていることもあります。

一方、尾骨(尾てい骨)は、転倒で痛めやすい骨の代表です。尻もちをついて、お尻の中心を強く打つと、尾骨を打撲したり、骨折したりすることがあります。尾骨を痛めると、座ったときや、座った姿勢から立ち上がるときに強い痛みが出て、しばらく続くのがつらいところです。多くは安静で回復しますが、円座クッションを使って尾骨に体重がかからないようにすると、痛みが和らぎます。なお、高齢で骨がもろくなっている方は、軽い転倒でも仙骨や尾骨を骨折することがあります。お尻を打ったあとの痛みが長引く場合や、座れないほど痛む場合は、整形外科を受診しましょう。

まとめ

仙骨は5つの仙椎、尾骨は3〜5個の尾椎が癒合してできる骨で、左右の寛骨とともに骨盤を形づくります。仙骨は、腰仙関節・仙腸関節を構成し、上半身の重みを脚へ伝える「骨盤の要石」です。尾骨(尾てい骨)は、転倒で打撲・骨折しやすい骨です。お尻まわりの痛みが続く場合は、仙腸関節障害や骨折の可能性もあるため、整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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