股関節(こかんせつ)|球関節のしくみ・動きと関わる筋肉、関連する障害を徹底解説

股関節(こかんせつ)

英語名称

hip joint(ヒップ・ジョイント)

関節の分類

球関節(きゅうかんせつ)

解説

球関節
球関節

股関節は、肩甲上腕関節(肩関節)と同じ構造の球関節です。寛骨の寛骨臼(かんこつきゅう)に、大腿骨の大腿骨頭が深くはまり込んでいるので、肩関節に比べて、股関節の構造は非常に強固な作りになっています。一方で、大腿骨頚部が細いため、寛骨臼内での大腿骨頭の動きがあまり制限されず、可動範囲は意外にも広くなっています。

股関節の安定性を高めるために、股関節全体を関節包(かんせつほう)で覆い、その外側を、腸骨大腿靭帯(ちょうこつだいたいじんたい)、恥骨大腿靭帯(ちこつだいたいじんたい)、坐骨大腿靭帯(ざこつだいたいじんたい)といった強固な靭帯で補強しています。関節の内部には大腿骨頭靭帯(だいたいこっとうじんたい)もありますが、これは主に大腿骨頭へ向かう血管の通り道としての役割が大きく、関節の安定性に最も貢献しているのは、人体で最も強い靭帯の一つとされる腸骨大腿靭帯です。

このように、股関節は非常に安定性のある関節なのですが、ひとたび脱臼を起こすと、肩の脱臼のように簡単には整復できない関節としても知られています。また、股関節の周囲には様々な筋肉が存在します。立つ・歩く・走る・跳ぶといった軽い運動から激しい運動まで可能にするため、股関節は、関節の中でも最も多くの筋肉が関与する場所でもあります。

関節の動き

股関節の屈曲・伸展
屈曲-伸展

股関節の内転・外転
内転-外転

股関節の内旋・外旋
内旋-外旋

関節の傷害

変形性股関節症、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)、股関節脱臼、大腿骨頭壊死、ペルテス病など

股関節は「上半身を支える要」|トラブルと付き合い方

股関節は、体重を支えながら脚を大きく動かすという、相反する2つの役割を両立する、非常に優れた関節です。だからこそ、不調が起こると、歩く・立つといった生活の基本に大きく影響します。股関節のトラブルを知っておくことが、早めのケアにつながります。

股関節で最も多いのが「変形性股関節症」です。これは、関節軟骨がすり減って関節が変形し、痛みや動かしにくさが出る病気で、日本では、生まれつき寛骨臼の受け皿が浅い「発育性股関節形成不全(以前の先天性股関節脱臼)」が背景にある二次性のものが多いとされます。立ち上がりや歩き始めに足の付け根が痛む、あぐらがかきにくい、左右で脚の動かしやすさが違う、といった症状は、その始まりのサインのことがあります。そのほか、血流が途絶えて骨頭が壊死する「大腿骨頭壊死」、子どもに起こる「ペルテス病」など、股関節には注意すべき病気があります。

股関節を長く健康に保つには、(1)中臀筋やお尻・内ももの筋肉を保つ運動で関節を安定させる、(2)体重を増やしすぎず、関節への負担を減らす、(3)脚を組む・横座りなど偏った姿勢を避ける、ことが役立ちます。足の付け根の痛みや、急に強く痛んで歩けない・安静にしても痛む・発熱を伴うといった場合は、骨折や壊死、感染などのこともあるため、自己判断せず、早めに整形外科を受診しましょう。

まとめ

股関節は、寛骨臼に大腿骨頭が深くはまる球関節で、安定性と広い可動域を両立しています。関節包と腸骨大腿靭帯などの強い靭帯で補強され、屈曲・伸展・内転・外転・内旋・外旋という多方向の動きを、多くの筋肉が担います。変形性股関節症や大腿骨頭壊死など重要な病気も多い関節です。足の付け根の痛みが続く場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会「変形性股関節症」https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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