将来のリスクに備えて骨貯金はできていますか?

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨密度が低下して、骨がもろくなり骨折しやすくなるという症状です。
一般的に骨粗鬆症は加齢になればなるほどその発症率が増加する傾向にあります。

特に、閉経期以降の女性では、女性ホルモンの分泌減少や、腸からのカルシウムの吸収が悪くなることで、骨密度が急激に低下するようになります。

骨貯金とIOF国際骨粗鬆症財団とは

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になると、躓いて転んだだけで簡単に骨折するようになります。
その結果、骨折による内臓障害になってしまったり、そのまま寝たきり生活を余儀なくされてしまうこともあります。
そのため、将来、骨粗鬆症にならないようにするために、お金と同じように若い頃からの地道にコツコツと骨密度を高めていくということが推奨されています。
これをいわゆる『骨貯金(こつちょきん)』といいます。
近年、IOF(国際骨粗鬆症財団)では、毎年、10月20日を世界骨粗鬆症デーと定め、世界規模で、骨粗鬆症の早期発見と適切な治療や予防の普及キャンペーンを行っていて、骨密度に対する啓発をしています。
骨量のピークは、通常、18歳くらいなのですが、この時期の骨量をいかに増やし、将来にわたり維持させることができるかというのが、『骨貯金』と呼ばれる由縁でもあります。

IOF(国際骨粗鬆症財団 International Osteoporosis Foundation)

IOFは世界の90ヶ国以上で患者会を通して骨粗鬆症と骨代謝疾患の予防、診断、治療に対する認知度を高めるため、世界骨粗鬆症デー・キャンペーンを行っています。
1999年以降は、世界骨粗鬆症デーの統一テーマを掲げ、年間を通して活動しています。

※IOFホームページより(http://www.iofbonehealth.org/

通常、骨の強さは、骨量と骨密度によって決まりますが、骨粗鬆症の診断基準になっているのは、骨の内側部分のミネラル分の骨密度の数値で、この骨密度の測定は、エックス線や超音波で診断します。
骨は骨芽細胞と破骨細胞の働きにより、健康で若い世代では、1年間で全身の約30%の骨が入れ替わり、骨の中に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルも豊富な状態を保っています。
しかし、40代の後半ともなると、少しずつ骨量は減少していき、やがてカルシウムやリンなどのミネラル分が不足した状態に陥ります。

骨貯金を高めるにはどうしたら良いのか?

若い頃から骨貯金を蓄えるためには、毎日の生活習慣を見直すことが何よりも大切となります。
例えば食生活においては、健康で丈夫な骨を作るために欠かせない栄養素であるカルシウムやリンの摂取を心掛けることは勿論、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、体内に取り込んだカルシウムの骨沈着に欠かせないビタミンKを併せて摂ることが大切となります。
なお、リンは過剰に摂取してしまうことで却って骨がもろくなってしまうことが知られています。
なので、リンが多く含まれるスナック菓子やインスタント食品、清涼飲料水の過剰摂取はなるべく避けるように気をつけましょう。
骨代謝は適度運動で骨に刺激を与えることで促進されるので、日頃から筋トレ、ジョギングなどで骨に刺激を与えることもとても大切です。
また、太陽を浴びると体内でビタミンDが生成され、骨を強く、風邪を引きにくくして免疫力を高めるといわれているので、紫外線に注意しながらも日光を浴びる時間を作ることも大切です。
このように若い頃から骨を意識して蓄えるように心掛けることで、将来的な骨粗鬆症という最大リスクを減少させることが可能となります。
それでは50歳以上の年齢の方がこのような取り組みを行ってもあまり意味のないことなのでしょうか?
いえ、決してそんなことはありません。
例え高齢であっても、自分の体調や体力などを考慮しながら、無理せずに簡単な運動を日常に取り入れ、日々の食生活や生活習慣を改善することで、骨量減少のカーブを緩やかにできることが判明しているからです。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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