肩こりの原因と改善法について|筋緊張・姿勢との関係と肩甲骨ストレッチを徹底解説

肩こりとは、症状の名前の一つで、病名とは少し違ったニュアンスを持っています。肩こりというのは、長時間同じ姿勢をとり続けることで筋肉が緊張してしまい、肩に重さや痛みを感じたりすることをいいます。

その感じ方には個人差があり、頻繁に肩こりを感じる方もいれば、ほとんど感じたことがないという方もいます。そのため、判断基準がとても難しく、自分自身の肩こりがどの程度の状態なのかが分かりづらい、ということも問題の一つです。

しかしながら、あまり自覚症状がない方が、ひとたび肩こりを感じたときには、かなりつらい状態になっていることも多いので、普段から肩こりを感じていない方でも、なるべく早めに対応したほうがよいでしょう。

肩こりの原因とは

肩こりが起きる原因はいくつか考えられますが、代表的なものとしては『長時間、不自然な姿勢をとり続ける』『姿勢の崩れが強い』などがあげられます。これらが起因して筋肉が緊張してしまい、肩こりや痛みを感じるのです。

仕事などで長年、決まった動作や姿勢をとり続ける人は、姿勢の崩れからくる慢性的な肩こりになっていることが多いようです。同じ姿勢を長くとり続けることで、不自然な姿勢のまま固まってしまい、その結果、血流が悪くなって、筋肉に余計な負担がかかるのです。

肩こりがひどかったり、肩の痛みを感じたりするのであれば、早めに専門家に診てもらうことをおすすめします。自分の身体がどのような姿勢のクセを持っているのか、何が原因で負担がかかっているのかを把握しておくことは、とても大切です。

ただし、姿勢のクセを理解したからといって、長年の習慣で身についた姿勢を、自力だけですぐに変えるのは簡単ではありません。とはいえ、肩こりを改善するうえでは、自分自身の心がけも大きなポイントになります。自分の生活を見直すことで、ある程度の改善を期待することができるのです。

肩こりを改善するうえで気を付けなければならない日常動作

日常で気をつけたい動作は、特に仕事をしている際に、なるべく同じ姿勢を続けないように心がけることです。仕事の関係上、難しい方もいらっしゃると思いますが、できる範囲で構わないので、ストレッチや伸びなどで身体を動かすようにしてください。

例えば、座り仕事なら、少しの合間に背伸びをしたり、胸を伸ばしたり、肩を回したりするのもよいでしょう。また、基本的な座り姿勢として、崩れた姿勢ではなく、なるべくイスに深く座り、背筋を伸ばして座るように心がけましょう。仕事中の姿勢に気を付けることで、肩こりの改善や、腰痛・首の痛みなどの予防にもよい効果が期待できます。

また、身体のバランスを整えることで、今まで十分に働いていなかった筋肉が機能し始め、運動動作はもちろん、日常動作でも身体が軽やかに働くようになります。

肩こりを改善するためのストレッチ

肩こりを改善するための有効なストレッチとしては、肩甲骨がポイントになってきます。基本的には、下記のとおり、肩甲骨を開いたり閉じたりすることを意識してストレッチ(動的ストレッチ)すると、効果が期待できます。

深呼吸エクササイズ

深呼吸エクササイズ ファーストポジション
(写真1)ファーストポジション

①両手を前方に差し出し、交差させます。このとき、肩甲骨は最大限に広げるように意識します。

深呼吸エクササイズ セカンドポジション
(写真2)セカンドポジション

②次に、前方に差し出した両手を徐々に後方へ引き、胸を広げながら、肩甲骨を最大限に内側に寄せるように意識します。以後、この動作を必要回数繰り返します。

肩甲骨と肩は密接に関係しており、肩甲骨周辺が柔らかい方が、肩にかかる負担は小さくなります。前方に手を出すときに大きく息を吐き、そのまま後方に肩を引くときに徐々に息を吸い込み、また前方に差し出すときに息をゆっくり吐き出しながら行います。

そのときのポイントとしては、前方に出す際も、後方に引く際も、ゆっくりとしたスピードで行うことです。また、あまり無理をせず、軽く動かせる範囲で行うことが大切です。深呼吸エクササイズを行うことで、肩こりの予防・改善が期待できるだけでなく、血行の促進にも効果をもたらします。

そして、もし悪化したり、強い違和感を感じたりしたときは、すぐに専門家に診てもらい、それ以上悪化しないようにすることも、とても大切です。

こんな肩こりは要注意|病気が隠れていることも

肩こりの多くは、姿勢や筋肉の緊張による「心配のいらない肩こり」ですが、中には、病気が原因の肩こりもあり、注意が必要です。だからこそ、「いつもの肩こり」と決めつけないことが大切です。

特に気をつけたいのが、(1)手や腕のしびれ・力の入りにくさを伴う(頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなど、首の神経の問題のことがあります)、(2)安静にしていても強く痛む・どんどんひどくなる、(3)発熱や頭痛、吐き気を伴う、(4)突然の激しい肩・首・背中の痛みや、胸の痛み・締めつけ・冷や汗を伴う、といったケースです。特に最後のものは、狭心症・心筋梗塞や大動脈の病気など、命に関わる病気が肩や背中の痛みとして現れていることもあるため、ためらわず救急受診が必要です。

これらのサインがなく、動かすと変化する一般的な肩こりであれば、姿勢の見直しやストレッチでケアしていくことが基本です。一方で、上記のような症状を伴う場合や、なかなか改善しない肩こりが続く場合は、自己流のマッサージやストレッチで様子を見ず、整形外科などの医療機関を受診してください。肩こりは身近な症状ですが、まれに重い病気のサインのことがあると知っておくことが、早期発見につながります。

まとめ

肩こりは、長時間の同じ姿勢や姿勢の崩れで筋肉が緊張し、血流が悪くなって起こることが多い、身近な症状です。改善には、同じ姿勢を続けないこと、深く座って背筋を伸ばすこと、肩甲骨を動かす深呼吸エクササイズなどが有効です。ただし、手のしびれを伴う・安静時も強く痛む・胸の痛みや冷や汗を伴うなどの場合は、病気が隠れていることもあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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