頚椎(けいつい)|首の7つの骨のしくみ・環椎と軸椎、頚椎症やむち打ちを徹底解説

頚椎(けいつい)

英語名称

atlas(アトラス):第一頚椎
axis(アクシス):第二頚椎
4th〜7th cervical vertebrae(フォース〜セブンス・サーヴィカル・ヴァーテブリー):第三頚椎〜第七頚椎

解説

頚椎は、背骨の最上部にあり、7個の椎骨で構成されています。7個の頚椎は、緩やかに前方へ凸(前弯)しており、約5kgある頭を支えています。上部の二つの骨(第一頚椎・第二頚椎)は、それぞれ環椎(かんつい)・軸椎(じくつい)と呼ばれ、他の5つの椎骨とは形状が明らかに異なります。

第一頚椎である環椎には、いわゆる椎体がなく、また、後部に突出する棘突起(きょくとっき)も存在しません。さらに、他の椎骨に比べて椎孔(ついこう)が大きいため、形状があたかもリングのように見えることから、環椎(かんつい)と呼ばれています。この環椎が、頭蓋骨を直接受け止めて支えています。

第二頚椎である軸椎には、環椎の中にはまり込む歯突起(しとっき)と呼ばれる、上方へ伸びる軸状の突起があり、これが頚椎の回旋動作(首を左右に回す動き)の際の回転軸となります。環椎と軸椎は、正中環軸関節・外側環軸関節を構成し、さらに第三頚椎との間でも椎間関節を構成しています。

第三〜第七頚椎は、ほぼ似た形状をしていますが、第三〜第六頚椎の棘突起が、先端で二股に分かれているのに対し、第七頚椎の棘突起は二股に分かれておらず、他の頚椎と比べて長いという特徴をもっています。このことから、第七頚椎は隆椎(りゅうつい)と呼ばれることがあり、首の後ろの付け根で、最も飛び出して触れる骨がこれにあたります。

主に起始する筋肉

肩甲挙筋前斜角筋中斜角筋、頭半棘筋、頭板状筋、大後頭直筋、下頭斜筋、僧帽筋(上部)小菱形筋

主に停止する筋肉

頚最長筋、頚棘筋、頚板状筋、頚半棘筋、多裂筋、回旋筋

主に構成する関節

正中環軸関節外側環軸関節椎間関節

主な傷害

頚椎捻挫(むち打ち)、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、環軸椎亜脱臼など

頚椎は「重い頭を支えながらよく動く」繊細な部位

頚椎(首の骨)は、約5kgもある重いボウリング球のような頭を、たった7個の小さな骨で支えながら、上下左右に大きく動かし、回旋もこなすという、非常に高度な役割を担っています。よく動くぶん負担も大きく、トラブルが起こりやすい繊細な部位でもあります。

頚椎の動きの要となるのが、上部の環椎と軸椎です。頭を「うなずく(前後の動き)」のは主に環椎と頭蓋骨の間で、頭を「ふり向く(左右の回旋)」のは主に環椎と軸椎の間(環軸関節)で行われます。この精巧なしくみのおかげで、私たちは首を自由に動かせるのです。一方で、頚椎の中心には脊柱管が通り、脳から続く大切な脊髄が走っています。そのため、頚椎のトラブルは、首や肩の痛みだけでなく、手のしびれや力の入りにくさといった神経症状を引き起こすことがあります。代表的なのが、加齢で骨や椎間板が変化する「頚椎症」、椎間板が飛び出す「頚椎椎間板ヘルニア」、そして交通事故などで起こる「頚椎捻挫(むち打ち)」です。

頚椎を守るうえで大きな敵となるのが、スマホやパソコンによる「うつむき姿勢(ストレートネック)」です。頭が前に出るほど首への負担は何倍にも増え、こりや痛みの原因になります。予防には、目線を上げて画面を見る、こまめに首を休める、自分に合った高さの枕を選ぶことが役立ちます。手足のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさを伴う場合は、神経が圧迫されているサインのこともあるため、早めに整形外科を受診しましょう。

まとめ

頚椎は、首にある7個の椎骨で、緩やかに前弯して約5kgの頭を支えます。特に第一頚椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)は特殊な形をしており、うなずきや振り向きといった頭の動きの要となります。中心には脊髄が通るため、頚椎症やヘルニア、むち打ちでは手のしびれが出ることもあります。うつむき姿勢を避け、手足のしびれを伴う場合は整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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