寛骨(かんこつ)|腸骨・坐骨・恥骨の癒合や股関節・仙腸関節との関係を徹底解説

寛骨(かんこつ)

英語名称

hip bone(ヒップ・ボーン)

解説

寛骨(かんこつ)は、腸骨(ちょうこつ)坐骨(ざこつ)恥骨(ちこつ)の3つの骨が結合してできた骨のことです。

通常、思春期頃までは、腸骨・坐骨・恥骨は軟骨で結合されているのですが、成長して20歳を迎える頃までには、これら3つの骨が骨どうしでしっかりと結合し、一つの骨として完成します。これら3つの骨が出会う部分には、寛骨臼(かんこつきゅう)と呼ばれるくぼみがあり、ここに大腿骨の骨頭がはまり込んで股関節を形づくっています。

寛骨は、脊柱の底にあたる仙骨との間で仙腸関節を構成し、太ももを形成する大腿骨との間で股関節を構成しています。左右の寛骨と仙骨・尾骨が合わさって、骨盤を形づくっています。

各骨の詳細につきましては、下記からご確認ください。

  1. 腸骨
  2. 坐骨
  3. 恥骨

主に起始する筋肉

腸骨筋縫工筋大臀筋中臀筋小臀筋腰方形筋大腿筋膜張筋大腿直筋内腹斜筋腹横筋

主に停止する筋肉

外腹斜筋

主に構成する関節

股関節仙腸関節

主な傷害

上前腸骨棘剥離骨折、仙腸関節障害、下肢痛など

寛骨は「3つの骨が1つになる」ユニークな骨

寛骨の大きな特徴は、もともと別々だった腸骨・坐骨・恥骨という3つの骨が、成長とともに1つに癒合してできる、という点です。この成長の過程を知っておくと、寛骨の構造や、子どものケガの特徴を理解しやすくなります。

生まれたときや子どものうちは、腸骨・坐骨・恥骨は、寛骨臼の中心付近で軟骨(成長軟骨)を介してつながっています。レントゲンで見ると、ちょうどY字型の軟骨(Y軟骨)として写るのが特徴です。この軟骨の部分で骨が伸びて成長し、思春期から20歳前後にかけて、軟骨が骨に置き換わって、3つの骨ががっちりと結合します。

このため、骨が完成していない成長期の子どもは、骨そのものよりも、筋肉が付着する部分や成長軟骨が弱点になりやすく、ジャンプやダッシュの繰り返しで、筋肉に引っ張られて骨の一部がはがれる「剥離骨折」(上前腸骨棘などに多い)を起こすことがあります。大人とは痛める場所が異なるのは、こうした骨の成長段階の違いによるものです。スポーツをする子どもが、股関節やお尻のまわりを痛がる場合は、無理をさせず、整形外科を受診させることが大切です。

まとめ

寛骨は、腸骨・坐骨・恥骨という3つの骨が、成長とともに寛骨臼の部分で癒合してできる骨です。仙骨との間で仙腸関節、大腿骨との間で股関節を構成し、左右の寛骨が仙骨・尾骨と合わさって骨盤を形づくります。多くの筋肉が付着する重要な骨で、成長期には剥離骨折などを起こすこともあるため、お尻や股関節の痛みが続く場合は、整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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