仙腸関節(せんちょうかんせつ)|仙骨と腸骨をつなぐ関節のしくみ・腰やお尻の痛みを徹底解説

仙腸関節(せんちょうかんせつ)

英語名称

sacroiliac joint(サクロイリアック・ジョイント)

関節の分類

平面関節(へいめんかんせつ)

解説

仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、仙骨(せんこつ)の耳状面(じじょうめん)と、寛骨(かんこつ=腸骨)の耳状面とが結合することによって構成されている関節です。骨盤の後ろ側、左右に一対あります。

仙腸関節面の形状は個人差が大きく、上半身の荷重を支えて脚へ伝える役割をもつことから、他の関節に比べて、関節面がかみ合ってずれにくい(摩擦が大きい)という特徴をもっています。仙腸関節は関節軟骨で覆われ、また、周囲には、長いものから短いものまで、いくつもの靭帯が張り巡らされており、それが仙腸関節をより強固に連結するのに貢献しています。

  1. 骨間仙腸靭帯(こっかんせんちょうじんたい)
  2. 前仙腸靭帯(ぜんせんちょうじんたい)
  3. 後仙腸靭帯(こうせんちょうじんたい)
  4. 仙棘靭帯(せんきょくじんたい)
  5. 仙結節靭帯(せんけっせつじんたい)

このように、仙腸関節の周囲には関節包や強靭な靭帯があるために、一見すると、仙腸関節の動きはほとんど確認できません。しかし、実際には、わずか数ミリ程度の動きを行っています。このわずかな動きが行えることで、歩行などの際の股関節の動きをスムーズにしたり、脊柱のバランスを保ったり(ビルの免震構造のように、根元から背骨にかかる衝撃をやわらげる)することに、大きく貢献しているのです。

仙腸関節は、中腰での作業が長時間続いたり、不用意な動作をしたりすることで、関節にわずかな「ずれ・ひっかかり(微細な不適合)」が生じ、痛みが発生することがあります。これを仙腸関節障害といいます。

関節の傷害

仙腸関節障害(仙腸関節炎・仙腸関節の捻挫)、強直性脊椎炎に伴う仙腸関節炎など

仙腸関節は「見逃されやすい腰痛の原因」

仙腸関節は、骨盤の後ろにある、ほとんど動かない関節ですが、実は「原因がわからない腰痛」の隠れた原因として、近年とても注目されています。この関節の特徴を知ると、長引く腰やお尻の痛みの理解が深まります。

仙腸関節の大きな役割は、上半身の重みを受け止め、左右の脚へとバランスよく伝える「中継地点」になることです。同時に、わずか数ミリだけ動くことで、歩行時の衝撃をやわらげる「免震装置」としても働いています。ところが、中腰の作業、長時間の座位、出産、脚を組むなどの偏った姿勢が続くと、この関節にわずかな「ずれ」や「ひっかかり」が生じ、痛みが出ることがあります。これが「仙腸関節障害」です。

仙腸関節障害の特徴は、お尻の少し上、ベルトのやや下あたり(上後腸骨棘の周辺)を、指一本で「ここが痛い」と示せることが多い点です。また、椅子から立ち上がるとき、長く座っているとき、痛む側を下にして寝るときなどに痛みが強まる傾向があります。この痛みは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛と症状が似ているため、見逃されたり、間違われたりすることが少なくありません。予防・改善には、中腰や長時間の同一姿勢を避ける、骨盤を支えるお尻や体幹の筋肉を保つ、骨盤ベルトで関節を安定させる、といった方法があります。原因のはっきりしないお尻や腰の境目の痛みが続く場合は、仙腸関節障害の可能性もあるため、整形外科に相談しましょう。

まとめ

仙腸関節は、仙骨と寛骨(腸骨)の耳状面が結合する左右一対の平面関節で、強靭な靭帯に支えられ、わずか数ミリだけ動きます。上半身の重みを脚へ伝え、衝撃をやわらげる「免震装置」の役割を担います。中腰や偏った姿勢で「ずれ」が生じると、仙腸関節障害となり、お尻や腰の境目の痛みを起こします。ヘルニアと間違われやすいので、長引く痛みは整形外科に相談しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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