O脚の原因と改善法について|O脚の種類・骨盤や股関節の歪みが招く仕組みと筋トレ・ストレッチを徹底解説

O脚とは、まっすぐに立ったとき、脚のラインが直線ではなく外側に湾曲して、膝やふくらはぎがつかずに内側に空洞ができてしまう状態のことをいいます(ニーアウト・トゥイン)。シルエットがアルファベットのOの字に似ていることから、O脚という呼び名になりました。実に、日本人の8割以上の方がO脚だともいわれています。

O脚には、股下(またした)全体が離れ、それに伴い膝と膝の間にすきまが生じて起こるO脚や、膝から下の下腿が捻じれることで生じる『膝下O脚』、股関節が過度に内旋して生じる『股関節内旋O脚』など、様々な種類があります。また、O脚とX脚が混合したXO脚というタイプのものもあります。

  1. O脚
    両足の踵をつけて立ったときに、太ももと膝が離れたままになるO脚です。下記の『2. 内旋を伴うO脚』に比べ、股関節の内旋要素がないタイプのO脚です。このタイプのO脚は、膝の違和感を感じたり、足の外側が疲れやすいなどの特徴があります。進行すると、骨そのものが変形する場合もあります。
  2. 内旋を伴うO脚
    股関節の内旋のねじれを伴うO脚です。股関節や足関節がねじれ、膝は内側を向いています。O脚の中でもっとも多いタイプといわれています。
  3. 膝下O脚
    太ももや膝の間に隙間はないのですが、膝から下に隙間ができるタイプのO脚です。このタイプのO脚は、脛骨や腓骨の関係が崩れている場合が多いようです。
  4. XO脚
    両膝に隙間はないのですが、股下と膝下が開くタイプのO脚です。これはO脚・X脚の混合型で、一般に膝は内側を向いていることが多いようです。

どのO脚も、見た目が気になるだけでなく、ほおっておくと脚全体や骨盤に負担がかかってしまいます。全身の疲れや腰痛、膝痛の原因になるので、できるだけ早期に適切な方法で改善することが大切になります。

O脚を引き起こしてしまう原因とは?

O脚になってしまう原因はいくつかあります。

  1. 姿勢が悪い(身体の歪み)
  2. 筋力・柔軟性のアンバランス
  3. 関節の緩み
  4. ビタミンD不足
  5. 遺伝

これらの原因は、O脚だけでなくX脚にも当てはまります。人は生まれたときは誰でもO脚ですが、成長とともに脚は一度真っ直ぐになります。しかしながら、その後の生活習慣や動作のクセなどにより筋バランス(筋力や柔軟性)に乱れが生じ、大腿骨・脛骨・腓骨の間に変位が生じてO脚になるのです。

意外に思われる方も多いかと思いますが、ビタミンD(骨の形成に関わる栄養素)が不足してもO脚になることがあります。また、医学的に完全に証明されたわけではないようですが、遺伝が原因でO脚になることがあると唱える専門家もいます。

適切な筋力トレーニングやストレッチを行うことで、ある程度O脚は改善されますが、一度、骨そのものが変形してしまった場合(高齢の変形性膝関節症など)は、いくら筋バランスを整える運動を実施しても、変形そのものを元に戻すことは困難です。人間の骨格はある程度の年齢までに土台が作られていくといわれているので、なるべく早い発見と、早い段階での改善が重要になります。もちろん骨盤矯正も有効ですが、骨の位置の安定化をはかるには、筋肉へのアプローチも欠かせません。

O脚をほおっておくとどうなってしまうのでしょうか?

「O脚はただ足が曲がっていて見た目が悪いだけ」と気にせず放置し続けていると、脚だけでなく骨盤や腰などに歪みが生じ、やがてそれが全身にも広がっていきます。程度により異なりますが、全身のバランスが崩れることで、O脚が悪化し、膝や腰の痛みを発症するようになります。

例えば、O脚の特徴となる内反膝になると、内側の半月板に過度の荷重がかかるので、半月板が人よりも摩耗しやすくなり、半月板のトラブルが発症しやすくなります。また、膝が内反するような力が強く働くことで、大腿部や下腿部の外側に強いハリが生じやすくなり、ランニング障害の一つである腸脛靭帯炎になってしまうこともあります。O脚は、外反母趾や浮き指などの原因になることもあります。こうなってくると、歩く・走るといった基本動作にも支障をきたすようになり、日常的にとてもつらい思いをしなければならなくなります。

O脚は、よほど生活に支障をきたすような重度の変形でなければ手術はすすめられないので、気づいた時点で、原因となる要因を取り除くことが何よりも大切なのです。

O脚にならないようにする為の日常動作について

日常の歩き方や姿勢を正しくすることで、ある程度O脚の改善が期待できます。歩き方や姿勢の歪みが脚の歪みを引き起こし、脚の歪みが全身の歪みを引き起こします。なので、まず歩き方や立ち方、姿勢などを正し、日常の動作では足を組んだり、身体の左右どちらかに体重がかかる座り方や立ち方をあまり続けないようにする必要があります。

特に、長時間の正座やあぐら、横座りなどは、膝や股関節、骨盤の歪みの原因になることがあるので気をつけましょう。座り方や立ち方は、長年の積み重ねでクセになってしまっていることが多いので、自分では気づきにくかったり、なかなか気をつけにくかったりしますが、常に意識し心がけることで悪化を予防することができます。

O脚を改善する為の筋トレ、ストレッチ方法について

それでは、O脚にならないようにするためには(あるいはなってしまった方は)、どのように筋肉を鍛え、またストレッチを行っていく必要があるのでしょうか。

すべてのO脚姿勢に共通して言えるのが、左右の大腿部を引き寄せる内転筋群を鍛えると、O脚の改善にとても有効だということです。椅子に座った状態でクッションを両膝の間に挟み、落とさないように膝と膝で内側に向かって押す、簡単なエクササイズもおすすめです。慣れてきたら、クッションを小さめのものに変えたり、子供用のボールやペットボトルなどに変えたりして、難易度をあげていくとさらに効果的です。

O脚のタイプにもよりますが、O脚で一番多いパターンの『股関節内旋を伴うO脚』は、股関節の後方をサポートする股関節外旋筋群(梨状筋・大臀筋など)が弱化していることが多いので、バックキックやヒップエクステンションと呼ばれるエクササイズなどで臀部を鍛え上げ、股関節が内側にねじれるのを防ぐのも有効です。

バックキック
バックキック

レッグエクステンション
レッグエクステンション

また、大腿四頭筋のうち、内側広筋と外側広筋の筋バランスが崩れ、膝が外側にずれやすくなっているので、膝蓋骨の安定化をはかるためには、レッグエクステンションなどで外側広筋を鍛える必要があります(外側広筋を鍛えるためには、フィニッシュポジションで足先を内旋させるのがポイントです)。

中臀筋のストレッチ
中臀筋のストレッチ

ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスのストレッチ

O脚の方は中臀筋が硬い傾向にあるので、中臀筋のストレッチを行うとともに、膝のねじれを防ぐためにハムストリングス(半腱様筋・半膜様筋)をストレッチする必要があります。以下に、鍛えた方がよい筋肉とストレッチした方がよい筋肉を列挙するので、参考にしてください。

鍛えた方が良い筋肉

ストレッチした方が良い筋肉

先天的な原因がO脚を引き起こしているケースもありますが、現代の多くの女性は、後天的な原因である女の子座り(トンビ座り)や「臀部・脚部の筋力不足」が原因となってO脚を引き起こしてしまっています。女の子座り(トンビ座り)を止めて、身体の歪みや「脚の歪み」を引き起こさないように努め、臀部や脚部のトレーニングで筋力を強化することで、O脚を未然に防ぐ努力をするよう心がけてみてください。

自分のO脚タイプを知り、無理なく続けることが改善の近道

O脚を効率よく改善するうえで大切なのが、「自分のO脚がどのタイプか」を意識することです。本記事で見てきたように、O脚には股関節の内旋を伴うもの、膝下だけのもの、XO脚などいくつかのタイプがあり、それぞれ負担のかかり方や、鍛える・伸ばすべき筋肉が少しずつ異なります。やみくもにストレッチや矯正を行うより、自分のタイプに合ったアプローチを選ぶ方が、効果も出やすく、痛めるリスクも減ります。

そのうえで共通して大切なのが、(1)弱い筋肉(内転筋群・股関節外旋筋・外側広筋など)を鍛える、(2)硬い筋肉(中臀筋・ハムストリングスなど)をストレッチでゆるめる、(3)女の子座り・足を組む・片脚重心などのクセを直す、の3点です。O脚は長年のクセの積み重ねでできあがるため、改善にも時間がかかります。短期間で結果を求めて無理をすると、かえって膝や股関節を痛めることがあるので、痛みのない範囲でコツコツ続けることが何より大切です。

なお、O脚の中には、加齢に伴う変形性膝関節症など、運動だけでは改善が難しいものもあります。膝の内側の痛みが続く、左右差が強い、O脚が急に進んだ、子どもの強いO脚といった場合は、自己流で頑張りすぎず、整形外科を受診して原因を確認してもらいましょう。原因に合った対応をとることが、膝を長く健康に保つ一番の近道です。

まとめ

O脚は、膝が外側に開く脚の歪みで、股関節内旋を伴うものや膝下O脚、XO脚など複数のタイプがあります。姿勢のクセや筋力・柔軟性のアンバランス、関節の緩みなどが原因で、放置すると内反膝による半月板の摩耗や腸脛靭帯炎、外反母趾などにつながることもあります。改善には、内転筋群や外側広筋の強化、中臀筋のストレッチ、座り方の見直しが有効です。痛みや強い変形がある場合は、整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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