環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)|頭と首をつなぐ唯一の関節・うなずきのしくみを徹底解説

環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)

英語名称

atlanto-occipital joint(アトラント・オクシピタル・ジョイント)

関節の分類

楕円関節(だえんかんせつ)

解説

脊柱を構成する骨格の、最初の関節となるのが、頭蓋骨の後頭骨にある後頭顆(こうとうか)と、環椎(第1頚椎:C1)の上関節窩との間にある、環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)です。ここでは、主に、首の屈曲・伸展(うなずくように頭を前後に倒す動き)と、わずかな側屈(頭を横に傾ける動き)が行われます。関節の種類としては、楕円関節に極めて近い関節です。

環椎後頭関節は、頭部と脊柱をつなぐ唯一の関節で、主に、前方の前環椎後頭膜(ぜんかんついこうとうまく)と、後方の後環椎後頭膜(こうかんついこうとうまく)が、この関節を補強しています。これら2つの膜は、多くの弾性線維を含む丈夫な組織からなっています。また、環椎後頭関節の安定性においては、前頭直筋などの深部の筋肉も補助しています。

なお、頭部の回旋動作(首を左右に回す動き)では、この環椎後頭関節そのものは動かず、その下の軸椎(第2頚椎)の上で、環椎と後頭骨が一体となって回旋します。

環椎後頭関節は、第1頭関節(だいいちとうかんせつ)とも呼ばれます。ちなみに、その下にある環軸関節は、第2頭関節と呼ばれます。

関節の傷害

頚椎捻挫(むち打ち)、環椎後頭関節の不安定症など

「うなずき」を生む頭と首の境目|環椎後頭関節

環椎後頭関節は、頭蓋骨と背骨をつなぐ、いわば「頭と首の境目」にある、とても重要な関節です。私たちが「うなずく」という動作ができるのは、この関節のおかげであり、その役割を知ると、首のしくみがよく理解できます。

この関節の最大の特徴は、頭部(頭蓋骨)と脊柱(背骨)を直接つなぐ、ただ一つの関節だという点です。約5kgある重い頭は、この環椎後頭関節を介して、背骨の一番上に乗っているのです。役割分担も明確で、頭を前後に倒す「うなずき(屈曲・伸展)」は、主にこの環椎後頭関節(第1頭関節)が担い、頭を左右に回す「振り向き(回旋)」は、すぐ下にある環軸関節(第2頭関節)が担います。この2つの関節が連携することで、私たちは頭を自由な方向に動かせるのです。

一方で、頭と首の境目にあたるこの部分は、脳に近く、すぐ内側には延髄(生命維持に関わる重要な神経)が通っているため、非常にデリケートな場所でもあります。交通事故などで首に急な力が加わる「むち打ち(頚椎捻挫)」では、この環椎後頭関節やその周囲の組織が傷つくことがあり、後頭部の痛みや頭痛、首のこりの原因になることがあります。日頃から、うつむき姿勢を続けてこの部分に負担をためないこと、首を無理にひねらないことが大切です。事故やケガのあと、後頭部や首の強い痛み、頭痛、手足のしびれを伴う場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。

まとめ

環椎後頭関節は、頭蓋骨の後頭顆と環椎(第1頚椎)をつなぐ楕円関節で、頭と背骨をつなぐ唯一の関節です。「うなずき(屈曲・伸展)」を主に担い、第1頭関節とも呼ばれます。すぐ内側に延髄が通るデリケートな部位で、むち打ちなどで傷つくと後頭部痛や頭痛の原因になります。事故後の強い首・後頭部の痛みやしびれを伴う場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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