足関節引き出しテスト:前方(Drawer test ankle:AP)

引き出しテスト

足関節引き出しテスト(Drawer test ankle:AP)

目的

足関節の周囲には様々な靭帯が存在し、それらが足首の安定性を高めています。
しかし、転倒などで足首を強く捻ってしまうと時に靭帯を伸ばしてしまったり、最悪の場合は靭帯そのものが切れてしまうことがあります。

これにより靭帯の支持能力が失われてしまうのでほんの些細なことで足首を捻挫するようになってしまいます。
足関節にある靭帯の異常を調べる方法として『引き出しテスト』というテストがあります。
引き出しテストの一つ、前方引き出しテストは『前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)』に問題があるかどうかを調べるテストです。
このテストで陽性反応が出てしまった場合、前距腓靭帯の損傷(断裂、靭帯が伸びる)が疑われます。

実施方法

1. 患者さんを仰臥位にさせます。
2. 検者は患者さんの患側に立ち、一方の手で患者さんの下腿部(スネのあたり)を押さえ、もう一方の手で患者さんの踵を包み込むように持ちます。
3. 検者はベットに向かって(直下)ゆっくりと下腿部を圧迫し、もう一方の手で踵を上方に引き上げます。
4.  同様に反対側の膝関節も実施します。

引き出しテスト

足関節引き出しテスト(Drawer test ankle:AP)

結果の評価

このテストにより踵の上方への動きが大きい場合は陽性反応とみなされます。
陽性の場合、前距腓靭帯の損傷、及び断裂が疑われます。

参考

一般に足関節はもっとも捻挫が多発しやすい場所としても知られています。
捻挫のなかでも特に多発しやすいのが『内反捻挫』と呼ばれる捻挫です。
内反捻挫の多くは前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、後距腓靭帯(こうきょひじんたい)、踵腓靭帯(しょうひじんたい)を損傷してしまいます。
内反捻挫を繰り返すことで足関節が不安定になってしまうので、いわゆる『捻挫癖』に陥ってしまうこともあります。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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