腸骨圧迫テスト(Iliac compression test)
目的
腸骨圧迫テストは仙腸関節に機能障害があるかどうかを調べる検査方法です。
特にカイロプラクティックの分野では仙腸関節の機能障害は重視されますが、医療機関では仙腸関節の機能障害は軽視されることが多いようです。
このテストにより、わずかな抵抗でも患者さんが痛がるようなら腸骨を骨折してしまっていることが疑われます。
実施方法
1. 患側が上向きになるように患者さんを側臥位(横向き)にさせます。
2. 検者は患者さんの後方に立ち、患者さんの腸骨の腸骨稜あたりをコンタクトします。
3. 検者はベットに向かって(直下)ゆっくりと圧迫を加えます。
4. 同様に反対側も実施します。
結果の評価
テスト中、仙腸関節部分に痛みが伴えば陽性反応で、仙腸関節の捻挫や脱臼、炎症などの病理があと疑われます。
もし、わずかな力で実施しても患者さんがとても痛がるようなら腸骨が骨折している可能性もあります。
腸骨の骨折は主に転倒した際に直接腸骨を打撲したことが原因となることが多いようです。
腸骨の骨折の診断は画像検査が必要になりますが、通常の骨盤撮影の仕方だと腸骨の骨折を見逃す場合もあります。
参考
仙腸関節は他の関節とは異なり、非常に可動域の少ない関節として知られています。
しかし、仙腸関節に問題があると股関節の屈曲、伸展動作がスムーズに行うことができなくなるため、『足を持ち上げる』『歩く』『走る』などといった日常生活動作に大きく影響を及ぼします。