ヒブテスト(Hibb’s test)とは|仙腸関節の障害を調べる検査の方法と骨・関節の仕組みを徹底解説

目的

ヒブテストは、仙腸関節にストレスをかけて、仙腸関節の可動性や障害(病変・機能低下)を調べる検査方法です。腹臥位で下腿を外側に倒し、股関節を内旋させることで仙腸関節に動き(ストレス)を加え、痛みが出るか・どの程度動くかを確認します。

仙腸関節は、骨盤の仙骨と腸骨の間にある関節で、動くといってもわずか数ミリ程度しか動きません。一見するとほとんど動かないように思えるかもしれませんが、このわずかな動きができるかどうかで、仙腸関節が正常に機能しているかどうかが左右されます。

実施方法

  1. 患者さんを腹臥位(うつ伏せ)にさせます。
  2. 検者は患者さんの患側に立ち、上方の手の拇指(親指)で、測定する側のPSIS(後上腸骨棘)・仙腸関節部に触れて固定します。
  3. 下方の手で患者さんの足首を持ち、膝関節を90°に屈曲させます。
  4. 患者さんの反応を確認しながら、下腿(足)を外側へ倒すようにして、股関節を内旋させます。

ヒブテスト(Hibb's test)
ヒブテスト(Hibb’s test)

結果の評価

  • テスト中、仙腸関節の部分に疼痛が生じた場合は陽性反応です。この場合、仙腸関節の障害(病変)を疑う必要があります。左右で行い、左右差を比較することが大切です。
  • また、可動性の目安として、股関節の内旋の角度が40°前後なら正常な可動域とされ、0°〜20°未満なら可動性の低下(抑制)、50°以上なら可動性の亢進(増大)と判断する考え方もあります。左右を比較して、片側だけ可動性が亢進している場合は長期にわたる「横座り」、両側とも可動性が亢進している場合は「女の子座り(トンビ座り)」を長く続けてきたことが背景にある、と考えられることがあります。(これらの角度や座り方との関連はあくまで一つの目安です。)

参考

一般に、骨盤のゆがみ(寛骨の傾き)の傾向として、PSISが外側に変位している側では同側の腹斜筋が強く・梨状筋や中殿筋が弱い傾向、逆にPSISが内側に変位している側では同側の腹斜筋が弱く・中殿筋や梨状筋が強い傾向がある、という見方があります。ただし、これは骨盤のアライメントを扱う一部の流派での考え方であり、すべての人に当てはまるわけではありません。

仙腸関節の痛みはなぜ見逃されやすいのか

仙腸関節が原因の腰痛・お尻の痛みは、見逃されやすいことで知られています。その大きな理由は、仙腸関節の痛みがレントゲンやMRIなどの画像検査でははっきり写りにくいことにあります。仙腸関節性の痛みは、骨が折れたり大きく変形したりする問題というより、関節の動きや安定性に関わる「機能的」な問題であることが多いためです。

そのため、画像で異常が見つからず「原因不明の腰痛」とされてしまうケースもあります。仙腸関節の痛みは、お尻のやや上(仙腸関節の周辺)に出ることが多く、脚へ広がる痛みを伴うこともあるため、腰椎の問題と間違われやすいという特徴もあります。だからこそ、ヒブテストのような徒手検査を、他の仙腸関節の誘発テスト(パトリックテストやゲンスレンテスト、腸骨圧迫テストなど)と組み合わせて、痛みの原因を丁寧に確かめることが大切です。腰やお尻の痛みが続く場合は、自己判断せず、整形外科などの医療機関を受診することが大切です。

ヒブテストのまとめ

ヒブテストは、うつ伏せで膝を90°曲げ、PSISを固定したまま下腿を外側に倒して股関節を内旋させ、仙腸関節の障害や可動性を調べる徒手検査です。仙腸関節部に痛みが出れば陽性で、仙腸関節の障害が疑われます。内旋の角度(目安40°前後が正常)で可動性の低下・亢進をみる考え方もあります。仙腸関節性の痛みは画像で分かりにくいため、他の検査と組み合わせて判断します。腰やお尻の痛みが続く場合は、医療機関の受診をおすすめします。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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