外側側副靭帯ストレステスト:内反(Collateral ligament stress test:Knee)
目的
側副靭帯ストレステスト、内反パターンは膝関節の内方から外方に向かって圧迫をかけることで膝関節の外側側副靭帯、腸脛靭帯が損傷しているかどうかを調べる検査方法です。
膝関節周辺には外側側副靭帯だけでなく、その他に内側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、膝蓋靭帯、腸脛靭帯などの靭帯が存在し、これらが膝関節の安定性に勤めています。
このテストで陽性反応が出てしまった場合、外側側副靭帯、及び腸脛靭帯の損傷が疑われます。
実施方法
1. 患者さんを仰臥位にさせます。
2. 検者は患者さんの健側に立ちます。(調べる足の反対側)
3. 検者は下方手で患者さんの患側の踵(かかと)を包み込むように把握し、ベットから浮かせます。
このとき股関節の角度は20~30°くらいになるようにします。
4. 続いて検者は上方手で患者さんの膝関節の内側(関節裂隙(かんせつれつげき:大腿骨と脛骨間のこと))から軽く圧を掛けます。
4. 検者は下方手で下腿部を内方(手前側に)に引っ張ります。
5. 同様に反対側の膝関節も実施します。
結果の評価
このテストにより関節裂隙(かんせつれつげき:大腿骨と脛骨間のこと)の外側に隙間が生じたり(ギャッピングと言います)、患者さんが痛みを訴えるようなら外側側副靭帯の損傷、断裂及び腸脛靭帯の損傷が疑われます。
また、その他に前十字靭帯、後十字靭帯、後外関節包、弓状膝窩靭帯、大腿二頭筋の腱の損傷なども疑われます。
痛みが伴わない場合は、過去の怪我やこれまでの生活習慣などにより外側側副靭帯がゆるくなってしまうことが考えられます。
関節が緩くなってしまうとそれがもとで関節が変形してしまったり、ちょっとしたことで大怪我をする可能性もあります。
参考
膝関節は脛骨の上関節面に大腿骨が乗っただけの不安定な関節であるため膝関節周辺には複数の靭帯や軟骨が存在し、更に膝関節を覆うように関節包(かんせつほう)があり、関節包内は滑液(かつえき)で満たされ、膝の安定性を保っています。