ロード&シフトテスト(Load & Shift test)
目的
『肩関節(肩甲上腕関節)』を構成してる『肩甲骨』と『上腕骨』が安定しているかどうかを検査する整形外科学検査法です。テストの際には肩甲骨を固定した状態で上腕骨を前方、後方に動かし、上腕骨の安定性を確認します。
このテストにより陽性反応が出てしまった場合、上腕骨骨頭と肩甲骨の関節窩の位置が不安定であると判断することができます。
この場合、周囲の靭帯に何かしらの(伸びている切れているなど)問題があり、靭帯の支持能力が失われてしまっています。
程度にもよりますが異常値の場合、ほんの些細なことで肩関節が外れてしまうようになってしまいます。
実施方法
1. 患者さんを座位にさせます。
2. 検者は患者さんに測定する側の手の平を膝におかせ、なるべく肩に力が入らないように指示します。
3. 検者は患者さんの患側の真横に立ち、一方の手で肩関節の少し上あたりを挟む(肩甲骨と鎖骨の部分)ように固定し、もう一方の手で上腕骨の骨頭あたりを挟むように支持します。
4. 検者は肩関節が動かないようにしっかりと固定したまま、ゆっくりと上腕骨骨頭を前方①に圧迫を加えます。
5. 続けてゆっくりと後方②にも圧迫を加えます。
6. 同様に反対側の肩関節も実施します。
結果の評価
前方①への動き及び、後方②の動きのテストをそれぞれ実施し、上腕骨の移動距離、患者さんの様子などを記録しておきます。
関節の動きを観察し、不安定感や疼痛の発症した場合は陽性反応です。
参考
陽性反応が出現したとしても上腕骨骨頭の前後の長さを基準にして、前方①が25%以内は正常、後方②が50%以内で正常であるとみなされます。
もし、それらの基準値を超えてしまうようなら真の陽性反応といえます。