肩関節不安定性テスト:後方(Apprehension test shoulder:posterior instability)
目的
肩関節不安定性テスト:後方パターンは肩関節の不安定性を調べるテストです。肩関節は分類上は股関節と同じ球関節ですが、肩関節は股関節とは異なり可動域が広い反面、関節の結合が緩いために、脱臼しやすいという特徴をもっています。
これを補強するために関節包(かんせつほう)の一部が肥厚してできた関節上腕靭帯(かんせつじょうわんじんたい)と烏口上腕靭帯(うこうじょうわんじんたい)が肩関節の安定性を与えています。
また、肩関節周りの筋肉や腱も安定性に関与しています。
肩関節の安定性に関与する筋肉としては『棘上筋』、『棘下筋』、『小円筋』、『肩甲下筋』などがあります。
これらの筋肉は総称して『ローテーターカフ』と呼ばれます。
実施方法
3. 検者はもう一方の手で患者さんの肩関節の包み込むように保持します。
4. 検者はベットに向かって(直下)ゆっくりと圧迫を加えます。
5. 同様に反対側の肩関節も実施します。
結果の評価
このテストによって患者さんが痛みを訴えたり、肩関節が外れるような感じがすると訴えた場合、陽性反応で肩関節(肩甲上腕関節)の後方の靭帯損傷及び後方脱臼が疑われます。
参考
肩関節の後方脱臼は前方脱臼に比べ、非常にまれな脱臼です。