アダムポジション(Adam’s Position)とは|脊柱側弯症を調べる前屈テストの方法と背骨・関節の仕組みを徹底解説

アダムスポジション

目的

アダムポジション(文献によってはアダムステスト、アダムス前屈テスト、アダムス体位、アダム体位とも呼ばれます)は、『脊椎側弯症(せきついそくわんしょう)』かどうかを調べる整形外科的検査法の一つです。小学生の頃に学校の健康診断で行った経験がある方も多いのではないでしょうか。

側弯症は文字通り、脊柱が左右に弯曲し、さらに捻じれ(回旋)も加わる状態です。仮に側弯症と診断されても、歪みが軽度の場合は日常生活への影響は少ないのですが、中等度になると筋肉や関節に強いストレスがかかり、腰や首・肩などに痛みが出ることがあります。さらに重度の歪みになると、胸郭が変形して肺や心臓といった臓器にも負担を与え、息切れなどの症状が現れることもあります。

実施方法

1. 患者さんを立位(両足をそろえた起立姿勢)にさせます。
2. 検者は目視や触診などで、患者さんの脊柱の状態を確認します。
3. 検者は患者さんに、膝を伸ばしたまま、腰から背中へとゆっくり前屈するように指示します。
4. 検者は前屈した姿勢(セカンドポジション)のときに、患者さんの後方から、脊柱の側弯や肋骨の左右差(背中の盛り上がり=肋骨隆起)などを確認します。
5. 検査が終わったら、ゆっくりと元の姿勢に戻るように患者さんに指示します。

アダムポジション(Adam’s Position)
アダムポジション(Adam’s Position)
スタートポジション

アダムポジション(Adam’s Position) セカンドポジション
アダムポジション(Adam’s Position)
セカンドポジション

結果の評価

このテストを行ったときに、明らかな脊柱の側弯や、左右の肋骨の位置(背中の盛り上がり)の違いが現れていたら、陽性反応とみなされます。

このとき、起立位(ファーストポジション)で脊柱の側弯が見られても、前屈位(セカンドポジション)では側弯が見られなくなる(消える)場合は『機能性側弯症(きのうせいそくわんしょう)』、起立位で側弯が見られ、前屈位でも同様に側弯(背中の隆起)が残る場合は『構築性側弯症(こうちくせいそくわんしょう)』と判定されることがあります。背中の隆起は脊柱の回旋(捻れ)を反映しており、前屈しても残るかどうかが、両者を見分けるポイントになります。

参考

側弯症
側弯症

側弯症は、大きく機能性側弯症(きのうせいそくわんしょう)と構築性(文献によっては構造的とも呼ばれます)側弯症(こうちくせいそくわんしょう)の2種類に分類できます。機能性側弯症は一時的なもので、主に不良姿勢や脚の長さの左右差などによる「見かけ上」の歪みで、姿勢を正したり原因を取り除いたりすると改善します。一方、構築性側弯症は、背骨の配列そのものが曲がり捻れている「真の側弯症」で、前屈しても背中の隆起が残るのが特徴です。

側弯症には外傷性や神経・筋による二次性のものなど、細かく分けると様々な種類がありますが、このうち構築性側弯症の多くは原因がはっきりしない特発性側弯症(とくはつせいそくわんしょう)で、側弯症全体のおよそ7〜8割を占めるとされます。特発性側弯症は思春期の女子に多くみられ、進行することがあるため、早期発見が大切です。

学校健診で見つかったら|早期発見の大切さ

アダムス前屈テストが学校健診で行われるのには、大きな理由があります。思春期に多い特発性側弯症は、初期にはほとんど痛みなどの自覚症状がなく、本人も家族も気づきにくい一方で、成長期に進行しやすいという特徴があるためです。前屈テストは、放射線被ばくもなく、その場で背中のねじれ(肋骨隆起)を簡単にチェックできる優れた方法です。

実際の医療現場では、前屈した背中の傾きを「スコリオメーター」という器具で測り、回旋の角度が一定以上(おおむね7度以上)あれば、レントゲンなどの精密検査ができる専門医への受診がすすめられます。側弯は早く見つけて経過をみることで、装具などによる進行予防につなげられる可能性があります。お子さんの肩の高さ・腰のくびれ・背中の盛り上がりに左右差が気になる場合や、健診で指摘された場合は、自己判断で様子をみすぎず、整形外科などの医療機関を受診することが大切です。

アダムポジションのまとめ

アダムポジション(アダムス前屈テスト)は、前屈して背中の肋骨隆起の左右差から脊柱側弯症を調べる検査です。前屈で側弯(背中の隆起)が消えれば機能性側弯症、残れば構築性側弯症と判定されます。構築性側弯症の多くは原因不明の特発性側弯症で、思春期に多く進行しやすいため早期発見が重要です。背中の左右差が気になる場合や健診で指摘された場合は、整形外科などの医療機関の受診をおすすめします。

参考文献・出典

・日本整形外科学会「脊柱側弯症」https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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