脊柱は正面、あるいは後面から見た時にまっすぐでなければいけません。

もしこのときに脊柱が左ないしは右に大きくカーブしている場合は『脊椎側弯症(せきついそくわんしょう)』を疑う必要があります。側弯症は文字通り、脊柱が左右に弯曲し、その上、捻じれも加わる病気です。

側弯症と診断されてたとしても歪みが軽度の場合は日常生活には問題ありませんが、重度の歪みになると筋肉や関節などに極度にストレスがかかるばかりか、ときに肺や心臓といった臓器にも深刻なストレスを与えることもあるので注意を払う必要があります。

側弯症の種類

側弯症は大きく2種類に分類することができます。

側弯症

側弯症

  1. 機能性側弯症(きのうせいそくわんしょう)
  2. 構築性側弯症(こうちくせいこうわんしょう)

1.の機能性側弯症は一時的なもので主に不良姿勢による歪みです。

一方、2.の構築性側弯症は真の病気としての側弯症で先天性によるもの、外傷性によるものなど細分類すると数限りなくあり、このうち約80%~90%は、原因が定かではないため特発性側弯症(とくはつせいそくわんしょう)と呼ばれています。

機能性側弯症は後天的に日常の姿勢の悪さや腰痛や坐骨神経痛、また骨盤の歪みなど、ある意味、悪しき生活習慣を続けることで脊柱に影響を及ぼしてしまうことで発症する側弯症です。
これは一時的な歪みなので多くは歪みの原因を取り除いてあげれば解消されます。
このタイプの側弯症は歪みの原因を特定し、それにあったストレッチや筋トレを行ったり、姿勢を正し、足を組まない、片側ばかりで荷物は持たないなどに注意すれば歪みは徐々に少なくなっていきます。
また、カイロプラクティックなどの施術を行ってもらうなどもとても有効な手段だと思います。
しかし、一時的な歪みの側弯症といえど、原因が取り除かれない限りは歪みが改善することはありません。
慢性化すると腰痛や肩こり、頭痛などを発症し、女性の場合は骨盤内にある生殖器である卵巣、子宮も歪めることで血流障害による強い冷えから激しい生理痛を引き起こしたり、妊娠、出産などにも悪影響を及ぼしやすくなります。
これに対してもう1つのタイプの側弯症は構築性側弯症と呼ばれ、機能性側弯症のように原因がはっきりしているわけではなく、発症原因がさだかではありません。
これに属する先天性側弯症(せんてんせいそくわんしょう)は先天的な遺伝によって発症する側弯症で全体の10~15%くらいあると言われています。
出生前から既に側弯が生じていて、年齢が加齢するに従って歪みが段々ひどくなり、やがて、見た目だけではなく、肺や心臓といった臓器にも深刻なストレスを与えることもあります。
ここまで重度な側弯症の場合は、残る手立てとしては外科的な手術しかありません。

構築性側弯症の多くは原因が不明

この構築性側弯症の分類の中で最も多いのが特発性側弯症(とくはつせいそくわんしょう)と呼ばれるものです。(構築性側弯症の約80%~90%をしめています)
これは生まれた時は正常だったものがある程度成長してから側弯症になるというものです。
思春期に発症することが多く、このタイプの患者は男性に比べて女性の方が5~6倍も多いことがわかっています。
ここで誤解しやすいのは特発性というのは決して突発性、つまりあるとき突然になるという意味ではありません。
真の原因がわからないものをこう呼ぶのであって、実際の発症は気づかない間に徐々に進行していっているのです。
特発性の場合は先天的な要因がある訳ではなく、まったく原因不明のまま発症するので事前に予測をすることもできません。
一般的には側弯の進行は身体の成長期の間だけで、それ以降はストップしますが(例外的にそれ以降も進行が進むこともあります)、先天性と同じように、この時期の進行が激しく、カーブの度合いが25~35度になると中程度とされ、装具を装着して矯正を行うという治療となり、更に40度以上になると重度(50度以上は高度)の側弯症と位置付けられ場合により手術も伴う治療を受けるようになります。
ただし、側弯症はあくまでも背骨だけに発症するものであって、これが骨盤を歪ませるということはないため、女性にとって気になる妊娠などには何も影響しません。
ですから軽度であったり特に痛みも感じないような場合は気にする必要はありません。
しかし、度合いによっては外見的に見ても左右の胸の大きさにあきらかな違いが出たり、また重度を通り越して高度になってもそのままにしておくと、胸郭を変形させ、それによって肺の機能低下を引き起こし、そこから心臓などにも何らかの症状が出る場合があります。
現在は、学校での検診時に側弯検査も義務づけられている為、高度になるまでわからないといったようなこともありませんし、早い段階で進行具合などを観察することで適切な処置を取りやすく、昔に比べれば大人になってから側弯症に苦しめられるということも減ってきているようです。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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