背中の痛みの原因と改善法|姿勢・筋力低下との関係とストレッチ・筋トレを徹底解説

背中の痛みには、慢性的なものと急性的なものがあります。慢性的なものは、身体の歪みなどが原因で起こるもので、筋肉のハリのために激しい痛みこそありませんが、重く鈍い痛みが断続的に続きます。急性的なものは“ぎっくり背中”とも呼ばれ、急な運動や無理な体勢をしたことにより、筋線維や、筋肉を覆っている筋膜が傷ついたことによる痛みで、ときには熱感を伴い激しく痛みます。

これらの背中の痛みを軽んじて長年そのままにしてしまうと、さらに痛みが強くなり、姿勢や運動動作などに悪影響が出るので、注意を払う必要があります。

背中の痛みは、運動や姿勢以外にも、内臓の病気やストレス、更年期、血行不良から引き起こされることもあります。特に、運動やケガと関係なく続く背中の痛みは、内臓の病気が隠れていることもあるので、痛みが気になる場合は、まず整形外科やペインクリニックなどで医師の診察を受け、状態と原因を把握してから改善に努めることが大切です。

なぜ背中の痛みがでてしまうのか?

内臓の病気やストレスなどの原因を除くと、背中の痛みの多くは、急な運動や無理な姿勢による筋肉疲労と、不良姿勢を長時間・長期間とり続けたことによるものです。

急性であれ慢性であれ、背中の痛みが出る背景には、背筋をはじめとした筋力が低下していることが影響している場合が多く、そのため筋肉がとても疲労しやすく、少しの運動でも痛みが強く出る傾向にあります。当然、長年クセになっている姿勢や、デスクワーク・立ち仕事・力仕事などの職業的な姿勢、身体にかかる肉体的な負担も、背中の痛みの原因になります。正しい姿勢を心がけ、同じ姿勢を長時間続けないようにし、運動によって適度に筋肉をつけることが、背中の痛みの予防・改善に非常に有効といえます。

背中の痛みをほおっておくとどのような状態になってしまうのか?

背中の痛みを痛み止めなどで適当にごまかし、原因となる生活習慣や身体の歪み、筋力不足を放置したままだと、さらに悪化し、肩こりや頭痛といった不快な症状もあらわれやすくなることがあります。特に、疲労感や倦怠感、不眠といった症状が重なると、生活の質が大きく下がってしまうので、たかが背中の痛みとあなどらないように気を付けなければなりません。

痛みが気になった時点で早めに医師の診察を受け、指導を守りながら生活習慣を改め、適度な運動を取り入れながら、痛みの原因を根本から改善することが大事です。

背中の痛みを改善するうえで気を付けなければならない日常動作

背中の痛みに対して、自己判断で鎮痛剤や消炎鎮痛剤(湿布・クリーム・スプレー)に頼りすぎるのは避けたいところです。安易な方法で痛みを止めることより、痛みが出ない習慣と身体づくりが大切です。例えば、猫背や頬杖をついた姿勢、脚を組む、身体を斜めにするといったクセに気を付けるだけでも、かなり症状が緩和されます。

しかし、いくら姿勢に気を付けても、元々の筋力が弱まっていれば、正しい姿勢を維持することはできません。一般に、猫背などの不良姿勢になっている方は、背中の筋力が弱くなっている傾向にあるので、積極的に背筋を鍛える必要があるのです。

ここまで、正しい姿勢になるように常に注意を払う必要があると繰り返し述べてきましたが、実は、たとえ正しい姿勢であっても、同じ姿勢をとり続けるのが最もよくないことなのです。なので、できるだけ同じ姿勢にならないように、ときどき立ち上がって軽く身体を動かしたりして、意識的に背中の筋肉を動かすようにしましょう(このことは、肩こりや首の痛みなどについても同様のことがいえます)。

背中の痛みを改善するための運動

背中の痛みを改善するには背中のストレッチを実施すればよいと思いがちですが、実は、背中よりも胸の筋肉をストレッチした方が効果的な場合が多いです。胸の筋肉が硬くなると、その硬さのせいで姿勢が丸くなり、背中が引っ張られてしまうからです。おすすめのストレッチは『深呼吸エクササイズ』です。

深呼吸エクササイズ ファーストポジション
(写真1)ファーストポジション

  • 両手を前方に差し出し、交差させます。このとき、肩甲骨は最大限に広げるように意識します。

深呼吸エクササイズ セカンドポジション
(写真2)セカンドポジション

  • 次に、前方に差し出した両手を徐々に後方へ引き、胸を広げながら、肩甲骨を最大限に内側に寄せるように意識します。
  • 以後、この動作を必要回数繰り返します。

背中には、運動や仕事、緊張で、知らず知らずのうちに力が入りがちなので、疲れを感じたときに意識して力を抜く・弛めることは、背中のコリ予防になり、リラックス効果もあります。ストレッチと「弛め」を上手に使い分けることが、背中の痛みの予防と改善になるだけでなく、身体全体の歪みや血流の改善にもつながり、相乗効果が期待できます。

背中の痛みがある程度緩和したら、今度は積極的に背中の筋肉を鍛える必要があります。おすすめの種目は『ロウプーリー』です。

ロウプーリー ファーストポジション
(写真1)ファーストポジション

  • グリップを両手で握り、シートに腰掛けます。
  • 上体を前傾させ、背部の筋肉を十分にストレッチさせます。

ロウプーリー セカンドポジション
(写真2)セカンドポジション

  • 肘を外側に張りながら、グリップを腹部まで引き付けます。このとき、身体が猫背姿勢にならないように、胸を張りながら行います。
  • グリップを腹部まで十分に引き付けたら、ゆっくりと開始姿勢に戻ります。

まずは、日常の中で取り入れられる簡単なストレッチから始めて、痛みが和らいできたら、肩甲骨周辺の筋肉を鍛えるように取り組むのが安全な方法です。

こんな背中の痛みは要注意|内臓の病気が隠れていることも

背中の痛みの多くは、姿勢や筋肉が原因の心配のいらないものですが、中には、内臓の病気が背中の痛みとして現れることがあり、注意が必要です。だからこそ、「ただの疲れ」と決めつけないことが大切です。

例えば、心臓の病気(狭心症・心筋梗塞)、大動脈の病気、胃や十二指腸、すい臓、胆のう、腎臓・尿管(結石)、肺の病気などは、背中や肩甲骨のあたりの痛みとして感じられることがあります。これらは、姿勢を変えても痛みが変わらない、安静にしても痛む、冷や汗・吐き気・息苦しさ・発熱などを伴う、といった特徴があることが多く、筋肉や姿勢が原因の痛み(動かすと痛みが変化する)とは性質が異なります。

特に、突然の激しい背中の痛み、胸の痛みを伴う、冷や汗や吐き気を伴う、といった場合は、命に関わる病気のサインのことがあるため、ためらわず医療機関を受診してください。また、原因不明の体重減少や発熱を伴う背中の痛みが続く場合も、自己判断せず受診が必要です。背中の痛みは身近な症状ですが、こうした危険なサインを知っておくことが、大きな病気の早期発見につながります。

背中の痛みを軽視しない

背中の痛みは、よくある筋肉痛や老化によるものと考えて、ついつい軽視しがちです。特に軽度の場合は痛みがすぐに治まってしまうので、背中が痛かったことすら忘れてしまいがちですし、中度の場合は、痛みに慣れてしまって改善を諦めがちです。

重度になり、生活に支障をきたして初めて重大さに気づきますが、その頃には慢性化のうえ、他の症状を併発している場合があるので、複雑化して治りにくかったりしがちです。そうならないためには、痛みを少しでも感じた時点での対策が大事です。そして、日頃から正しい姿勢を心がけて身体の歪みを防ぎ、筋力をキープできるよう、適度な運動やストレッチを積極的に行いましょう。

まとめ

背中の痛みは、慢性的なものと急性的なもの(ぎっくり背中)があり、その多くは不良姿勢や背筋の筋力低下が原因です。改善には、姿勢の見直し、胸を開くストレッチ、背筋トレーニング、そして同じ姿勢を続けないことが有効です。ただし、安静にしても痛む・胸の痛みや冷や汗を伴うなどの場合は、内臓の病気が隠れていることもあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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