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頚部は頚椎とよばれる7個の骨で構成されています。
身体の真横から診た場合、正常であれば7個の頚椎は緩やかに前方へ凸(前弯)していて、それらを取り囲むように筋肉や靭帯が存在し、重い頭部を支えてそして動かしています。
頚椎にある神経は頚髄(けいずい)と呼ばれます。頚髄の神経髄節は8つあり(上から順にC1からC8と呼びます)、それぞれから1対の脊髄神経が出て、主に身体の上肢を支配し頚部の表在感覚や呼吸筋群そして上肢の筋・表在感覚を支配しています。
頚椎はカイロプラクティックの世界では第二の脳と捉えていて、この頚椎に問題があるということは、すなわち、脳に障害があるものと同義であると捉えています。
急性の頚椎の痛みについて
頚椎の痛みは自動車事故や激しいスポーツで身体に衝撃を受けたときなど、外力が強く加わったときに発症します。
また、後ろを振り向く、不自然な姿勢で寝てしまうなど日常の些細な動作で痛めてしまうことも良くあります。
急な頚部の痛みのうち、『寝違え』『すじ違え』などは『急性頚椎症(きゅうせいけいついしょう)』ともよばれ筋肉が無理に引き伸ばされて起きる一種の捻挫なので、発症直後はなるべく安静にして動かさないようにする必要があります。
程度にもよりますが1週間もすれば症状は徐々に軽くなり、回復していきますが、痛みがいつまでも続いたり、次第に悪化するような場合は、頚椎や周辺の組織を強く損傷している可能性があるので速やかに医療機関に相談してください。
自動車事故などで身体に強い衝撃を受けて起こるのが俗にいう『むち打ち症』で『頚椎捻挫』とも呼ばれています。
痛みの程度はそのときどきにより異なりますが、首を動かすと少し痛むものから、じっとしているだけでも激しく痛むものまでさまざまあります。
このとき神経が強く圧迫がしていたり脊髄が損傷してたとすると、腕の痛みやしびれ、頭痛、意識障害、下肢の麻痺などが現れることがあります。
慢性の頚椎の痛みについて
慢性的な首の痛みは肩こりの症状として現れることが多く、『なで肩』『猫背』『ストレートネック(頚部の前弯が極端に失われてしまった首)』の方に発症しやすい傾向があります。
同じ姿勢を長時間続けたことによる筋肉の疲労をはじめ、ストレス、冷え、運動不足なども首の痛みや肩こりの要因になります。
このように慢性的な頚部の痛みは複数の要因が絡んでいることがあるのでこれといった原因を特定するのが容易ではありません。
これらのような外因によって生じる首の痛みのほかに、頚椎自体に問題があって首に痛みが起きてしまうことがあります。
ここでいう頚椎の問題というのは頚椎にズレ・歪み・捻れが生じてしまっている場合を指します。
頚椎に歪みあると『肩部、上腕部、前腕部、手指の痛みや痺れ』『上肢が動かしにくい』『手先に力があまり入らない』『首を反らせると痛みがはしる』などの症状があわられるようになります。
中高年の多くの首の痛みは変形性の頚椎症が原因になっていることも
中年以降の人で、首や肩のこりや痛みに加え、手のしびれがある場合には、加齢による頚椎の変形が原因で起こる『変形性頚椎症』が疑われます。
頚椎の椎間板がはみ出して周囲の神経を圧迫する『頚椎椎間板ヘルニア』では、首から肩、腕に響く痛みが起こります。
頚椎に変形が生じたとしてもすぐに症状が現れるとは限りませんが、こうした下地があると『寝違え』などの症状を発症しやすくなります。
また骨髄炎や髄膜炎など、骨髄が感染症を起こしたり、腫瘍ができて首の痛みが起こることもあります。
ときには内臓疾忠の関連痛として首の痛みを感じることもあるので単なる肩こり、首コリなどと軽視してはいけません。
検査をしても原因がはっきりわからないケースもあり、『自律神経失調症』や『更年期障害』『精神的ストレス』などと診断されることもあります。
首の痛みへの対処法
頚椎の痛みは整形外科では問診、視診、触診の後、 必要に応じてX線検査やCT(コンピュー ター断層撮影)などによる画像診断で原因を検査します。
痛みと炎症を鎮めるためには、湿布をしたり、鎮痛剤や抗炎剤を用います。
場合によっては頚部の牽引、温熱療法、運動療法などの理学療法や、マッサージ、指圧、鍼灸、神経ブロック、外科手術がなど原因と痛みの程度に応じた治療が選択されます。
筋肉疲労などによる痛みの場合、自分でマッサージや入浴(温熱療法含む)を行うことも症状の軽減に有効です。
また寒冷地や冷房のきいた場所では、 あまり首を冷やさないように気をつけましょう。