球関節である肩関節は前後、左右、捻りと3次元のあらゆる方向に動かすことができます。
肩関節は構造や靭帯による結合が緩いためにローテーターカフと呼ばれる筋群が肩関節の安定性に大きく貢献しています。
肩関節の基本的な可動域
屈曲-伸展
写真のように前方に上腕を挙上する動作を『屈曲(くっきょく)』といいます。
更に90°を越え180°まで屈曲させた場合を『前方挙上(ぜんぽうきょじょう)』と呼ぶこともあります。
肩関節の屈曲に関わる代表的な筋肉として三角筋前部、大胸筋上部、烏口腕筋などがあげられます。
伸展は屈曲された上腕部を下垂状態に戻すことをいいます。
下垂状態を超え更に後ろに伸展させることを過伸展といいます。
伸展に関わる代表的な筋肉として広背筋、大円筋、小円筋、三角筋後部があげられます。
内転-外転
写真のように内転は外転された上腕部を下垂状態に戻すことをいいます。
内転に関わる代表的な筋肉として広背筋、大円筋、大胸筋があげられます。
また、上腕を真横に挙上する動作を外転といいます。
更に90°を越え180°まで外転させた場合を側方挙上と呼ぶこともあります。
肩関節の外転に関わる代表的な筋肉として棘上筋、三角筋中部などがあげられます。
水平内転-水平外転
写真のように肩関節を屈曲または外転した状態からの前方向への水平の動きを水平内転、または水平屈曲といいます。
肩関節の水平内転に関わる代表的な筋肉として大胸筋、三角筋前部があげられます。
水平外転は肩関節を屈曲または外転した状態からの後方向への水平の動きを水平外転、または水平伸展といいます。
肩関節の水平外転に関わる代表的な筋肉として三角筋後部、棘下筋、小円筋があげられます。
※ 直立姿勢に於いて水平内転、水平外転を行うためには棘上筋、三角筋の中部は重力の影響を受けるために常に大きな力を発揮しなければなりません
内旋-外旋
肘関節を90°屈曲した状態で前腕を内側に捻ることを内旋といいます。
肩関節の内旋に関わる代表的な筋肉として肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋などがあげられます。
肘関節を90°屈曲した状態で前腕を外側に捻ることを外旋といいます。
外旋に関わる代表的な筋肉として棘下筋、小円筋があげられます。