ヒブテスト(Hibb’s test)
目的
仙腸関節に対し、EX(外方)へのストレスをかけて仙腸関節の可動域を確認します。
これにより仙腸関節の病理、機能低下などを調べます。
勿論、動くといってもわずか数ミリ程度しか動くことはありません。
一見するとほとんど動いているように思えるかもしれませんが、このわずかな動きが出来るか出来ないかで仙腸関節が正常に機能するかどうかが決まります。
実施方法
- 患者さんを腹臥位にさせます。
- 検者は患者さんの患側に立ち、上方手の拇指で測定する側のPSIS(後上腸骨棘)をコンタクトします。
- 下方手で患者さんの足首をコンタクトし、膝関節を90度屈曲させます。
- 患者さんの反応を確認しながら股関節をEX(外方)に内旋させます。
結果の評価
- テスト中、仙腸関節部分に疼痛が生じた場合は陽性反応です。
この場合、仙腸関節の病理を疑う必要があります。 - また、このとき股関節の内旋の角度が40°前後なら正常な可動域と言えるのですが、0°~20°未満なら可動性抑制(IN腸骨)、50°以上なら可動性亢進(EX腸骨)と判断することができます。
左右両方とも比較してみて片側が可動性亢進の場合は長期に渡って『横座り』をしてきたことが疑われます。
また、両方とも可動性亢進の場合は『女の子座り(トンビ座り)』を長期に渡りしてきたことを疑います。
参考
一般にPSISがEX変位になっている場合は同側の腹斜筋が強く(ショートサイド) 梨状筋、中殿筋が弱い(ロングサイド)傾向があります。
また、PSISがIN変位なっている場合は同側の腹斜筋が弱く(ロングサイド) 中殿筋、梨状筋が強い(ショートサイド)傾向にあります。