肘関節(ちゅうかんせつ)|3つの関節からなるしくみ・テニス肘やゴルフ肘・野球肘を徹底解説

肘関節(ちゅうかんせつ)

英語名称

elbow joint(エルボー・ジョイント)

関節の分類

蝶番関節(ちょうばんかんせつ)

解説

肘関節は、上腕骨と尺骨が連結した腕尺関節(わんしゃくかんせつ)、上腕骨と橈骨が連結した腕橈関節(わんとうかんせつ)、そして尺骨上端と橈骨上端が向かい合うように連結した上橈尺関節(じょうとうしゃくかんせつ)の、3つの関節からなる複合関節です。

これら3つの関節は、すべて一つの関節包(かんせつほう)に覆われ、関節包の一部の線維膜(せんいまく)が、周囲の靭帯と一体化しています。このように、肘関節は、関節の形状・構造的にも連結強度が高く、とても安定した関節といえます。

肘関節の3つの関節の中で、動きの中心となるのは腕尺関節で、主な運動は屈曲・伸展(肘の曲げ伸ばし)です。屈曲には、上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋が働き、伸展には、上腕三頭筋・肘筋が働きます。肘関節は、そのほかにも、上橈尺関節と、手首側の下橈尺関節によって起こる、前腕の回内・回外(手のひらを上下に返す動き)にも関与しますが、これは主に前腕部の筋肉が働きます。

肘関節は、成人では比較的安定性の高い関節なのですが、未成熟の子どもでは不安定です。例えば、小さな子どもの手を急に引っ張ると、肘が外れることがあります。これは肘内障(ちゅうないしょう)と呼ばれる障害で、幼児では橈骨頭が未発達なために起こります。

また、肘関節は、関節の中でも特に使用頻度が高いため、過度に使いすぎると、様々な障害を引き起こすことがあります。例えば、野球肘は、成長期に多い障害で、肘の使いすぎ(投げすぎ)によって、肘の内側・外側・後ろなどに痛みが生じるもので、重症例では、上腕骨小頭などの軟骨が傷んで剥がれてしまう(離断性骨軟骨炎)こともあります。

関節の動き

肘関節の屈曲・伸展
屈曲-伸展

関節の傷害

肘内障、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)、野球肘(離断性骨軟骨炎など)、肘部管症候群など

肘は「使いすぎ」で痛む|テニス肘・ゴルフ肘・野球肘の違い

肘関節は、毎日の動作で頻繁に使われるうえ、スポーツでは大きな負担がかかるため、「使いすぎ(オーバーユース)」による障害が非常に多い関節です。名前に「スポーツ」がついた障害が多いのも特徴で、その違いを知っておくと、肘の痛みの原因を理解しやすくなります。

代表的なのが、名前の似た3つの障害です。1つ目の「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」は、肘の外側が痛むもので、手首を反らす動作の繰り返しが原因です。テニスのバックハンドだけでなく、パソコン作業や、タオルを絞る、物を持ち上げるといった日常動作でも起こり、中高年に多くみられます。2つ目の「ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)」は、逆に肘の内側が痛むもので、手首を手のひら側に曲げる動作の繰り返しが原因です。3つ目の「野球肘」は、成長期の子どもに多く、ボールの投げすぎで、肘の内側・外側・後ろに痛みが出ます。特に外側に起こる「離断性骨軟骨炎」は、軟骨が剥がれて、将来、肘の動きに障害を残すことがあるため、早期発見がとても重要です。

これらの肘の障害に共通する対策は、「使いすぎを避ける」ことです。痛みがあるときは無理をして続けず、休ませることが第一です。予防には、運動前後のストレッチ、前腕の筋力強化、正しいフォームの習得、そして、成長期の子どもでは投球数を制限することが大切です。また、小さなお子さんの手を、急に強く引っ張らない(肘内障の予防)ことも、覚えておきたいポイントです。肘の痛みが続く・肘が完全に伸びない曲がらない・しびれを伴う場合は、自己判断せず整形外科を受診しましょう。

まとめ

肘関節は、腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節の3つからなる複合関節で、肘の曲げ伸ばしと、前腕のひねり(回内・回外)を担います。安定した関節ですが、使いすぎによる障害が非常に多く、テニス肘(外側)・ゴルフ肘(内側)・野球肘などが代表的です。子どもでは肘内障にも注意が必要です。肘の痛みが続く・伸びない曲がらない場合は、整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)」https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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