椎間関節(ついかんかんせつ)|背骨をつなぐ関節のしくみ・椎間板との違いと腰痛を徹底解説

椎間関節(ついかんかんせつ)

英語名称

zygapophysial joint(ザイガポフィジアル・ジョイント)

関節の分類

平面関節(へいめんかんせつ)

解説

脊柱(背骨)の関節には、まず頭部の真下に、環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)と呼ばれる関節があります。環椎後頭関節は、頭蓋骨の後頭顆(こうとうか)と、環椎(第1頚椎)の上関節面との間にある関節で、頭を前後にうなずく動きを担っています。

その下、第1頚椎(環椎)と第2頚椎(軸椎)で構成される関節は、環軸関節(かんじくかんせつ)と呼ばれ、頭を左右に回す動きを担います。

脊柱は、椎骨と呼ばれる骨の集合体で、上下の椎骨どうしが、後方で椎間関節を構成しています。環軸関節より下方にある、上下の椎骨をつなぐ関節は、すべて椎間関節(ついかんかんせつ)と呼ばれます。椎間関節は平面関節なので、一つひとつはわずかな可動域しかもちませんが、複数の椎間関節が同時に動くことで、脊柱全体を大きく、複雑に動かすことができるのです。

一方、椎骨と椎骨の間(前方)には、椎間板(ついかんばん)が存在します。椎間板は、線維輪(せんいりん)と呼ばれる丈夫な線維軟骨が外壁を形成し、内部には髄核(ずいかく)と呼ばれるゼリー状の物質が詰まっていて、背骨のクッションの役割を果たしています。つまり、背骨は、前方の「椎間板(クッション)」と、後方の左右一対の「椎間関節(可動性とガイド)」が組み合わさって、安定しながら動くという、巧みな構造になっています。

しかし、椎間板は、加齢や負担などによって、髄核が線維輪を突き破ることがあります。この状態を、俗に椎間板ヘルニアといい、飛び出した髄核が神経を圧迫して、痛みやしびれを誘発します。椎間板ヘルニアと聞くと、腰の症状を連想する方が多いのですが、基本的には、頚椎・胸椎・腰椎のどの部分にも起こり得ます。ただ、一般的に腰椎での発生が多いというだけで、その場合は、正しくは『腰椎椎間板ヘルニア』と呼びます。椎間板ヘルニアになると、髄核が神経根を圧迫し、放散痛(離れた部位に響く痛み)、しびれ、感覚の鈍さや脱力など、様々な症状を引き起こします。

このように、脊柱を構成する椎骨や関節に問題が生じると、いろいろなトラブルにつながるため、脊柱の周辺は、前縦靭帯・後縦靭帯・黄色靭帯をはじめとする強靭な靭帯によって守られています。しかし、靭帯だけで脊柱をあらゆる傷害から守るのは無理があります。やはり、脊柱を保護し、健全な状態に保つには、背骨を支える筋肉(体幹)を鍛えることが大切なのです。

関節の傷害

椎間関節性腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、黄色靭帯骨化症、腰椎分離症、腰椎すべり症、変形性脊椎症など

椎間関節は「背骨の動きのガイド役」|腰痛との関わり

椎間関節は、一つひとつは小さく目立たない関節ですが、背骨が「安全に、正しい方向に動く」ためのガイド役として、とても重要な働きをしています。この役割を知ると、腰痛や首の痛みの理解が深まります。

背骨が前後に曲がったり、ひねったりするとき、前方の椎間板がクッションとして衝撃を受け止め、後方の左右一対の椎間関節が、その動きの「方向」を決め、行きすぎを防ぐストッパーの役目を果たしています。つまり、椎間板と椎間関節は、いわば「車軸と、それを支えるレール」のような関係で、協力して背骨を動かしているのです。だからこそ、どちらか一方に問題が起きると、背骨全体のバランスが崩れてしまいます。

実は、腰痛の原因として、椎間板だけでなく、この椎間関節そのものが関わっていることも少なくありません。腰を反らしたときに痛む、同じ姿勢が続いたあとに動き始めが痛む、といった腰痛は、椎間関節への負担(椎間関節性腰痛)が関係していることがあります。加齢とともに椎間関節がすり減って変形すると、変形性脊椎症となり、骨のトゲ(骨棘)ができて、脊柱管狭窄症の一因になることもあります。これらを防ぐには、(1)反り腰や猫背を避け、背骨のS字カーブを保つ姿勢を意識する、(2)体幹(腹筋・背筋)を鍛えて背骨を支える、(3)同じ姿勢を長く続けず、こまめに動く、ことが効果的です。腰や首の痛みに加え、手足のしびれや力の入りにくさを伴う場合は、神経の圧迫が疑われるため、早めに整形外科を受診しましょう。

まとめ

椎間関節は、上下の椎骨を後方でつなぐ平面関節で、一つひとつの動きはわずかですが、連動することで背骨を大きく動かす「ガイド役」を担います。前方のクッションである椎間板と協力して、背骨を安定させつつ動かしています。椎間関節性腰痛や椎間板ヘルニアなど、腰痛・首痛と深く関わる部位です。姿勢の改善と体幹強化が大切で、手足のしびれを伴う場合は整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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