膝関節(しつかんせつ)

英語名称

knee joint(ニー・ジョイント)

解説

膝関節は、大腿骨と脛骨が連結する大腿脛骨関節(だいたいけいこつかんせつ)と、大腿骨の下端と膝蓋骨(しつがいこつ)が連結する大腿膝蓋関節(だいたいしつがいかんせつ)からなる複関節です。

膝関節の基本的な動作は、膝の屈曲・伸展ですが、膝を90°屈曲させた状態では、わずかに内旋・外旋の動作もできます。膝関節の伸展には大腿四頭筋が主に働き、屈曲においてはハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)や腓腹筋が主に作用し、縫工筋・薄筋なども関与します。

膝関節は、脛骨の上関節面に大腿骨が乗っただけの、構造的には不安定な関節であるため、膝関節の周辺には複数の靭帯や軟骨が存在します。さらに、膝関節を覆うように関節包(かんせつほう)があり、関節包内は滑液(かつえき)で満たされて、膝の安定性と滑らかな動きを保っています。

  1. 関節内靭帯(前十字靭帯・後十字靭帯)
  2. 内側側副靭帯・外側側副靭帯
  3. 内側半月・外側半月(半月板)

膝関節の構造
膝関節の構造

前十字靭帯・後十字靭帯は、主に膝の前後方向の安定性を高め、内側側副靭帯・外側側副靭帯は、左右方向の安定性を高めます。また、膝関節の内部には内側半月・外側半月(半月板)があり、主に関節面の適合を助け、歩く・走るといった動作の際の衝撃を緩和する役割も担っています。

これらが障害されたものを総称して膝内障(しつないしょう)といいますが、特にスポーツ選手などでは、半月板損傷が多くみられます。

関節の動き

膝関節の屈曲・伸展
屈曲-伸展

関節の傷害

半月板損傷、前十字靭帯損傷などの靭帯損傷、腸脛靭帯炎(ランナーズニー)、膝蓋腱炎(ジャンパーズニー)、鵞足炎、オスグッド病、膝蓋軟骨軟化症、離断性骨軟骨炎、膝蓋骨不安定症(膝蓋骨脱臼)、変形性膝関節症、膝蓋大腿関節症など

膝関節は「もっとも傷めやすい関節」|守るためのポイント

膝関節は、体重を支えながら大きく曲げ伸ばしし、さらにスポーツでは急な方向転換やジャンプの衝撃を受け止める、非常に酷使される関節です。その分、人体の中でもトラブルが多く、「最も傷めやすい関節」の一つといえます。膝の構造を守る意識が、生涯にわたる歩行能力を支えます。

膝のトラブルは、年代によって特徴があります。成長期の子どもでは、使いすぎによる「オスグッド病」、若いスポーツ選手では、ジャンプや着地で起こる「前十字靭帯損傷」「半月板損傷」「ジャンパーズニー」、ランナーでは「腸脛靭帯炎(ランナーズニー)」、そして中高年では、軟骨がすり減って起こる「変形性膝関節症」が代表的です。特に変形性膝関節症は、加齢やО脚、肥満などが背景となり、立ち上がりや歩き始めの膝の内側の痛みから始まることが多くみられます。

膝を守るために大切なのが、膝を支える筋肉、とりわけ太もも前の「大腿四頭筋」を保つことです。この筋肉が衰えると、膝が不安定になり、軟骨への負担が増えてしまいます。あわせて、体重を増やしすぎないこと、急な運動量の増加を避けること、運動前後のストレッチ、衝撃を吸収する靴選びも効果的です。膝に「水がたまる」「曲げ伸ばしで引っかかる」「力が抜ける(膝崩れ)」「腫れて熱を持つ」といった症状や、痛みが続く場合は、自己判断せず、整形外科を受診しましょう。

まとめ

膝関節は、大腿脛骨関節と大腿膝蓋関節からなる複関節で、構造的には不安定なため、前後を支える十字靭帯、左右を支える側副靭帯、衝撃を吸収する半月板が安定性を保っています。伸展は大腿四頭筋、屈曲はハムストリングスが担います。半月板損傷や変形性膝関節症など傷害の多い関節なので、大腿四頭筋を保ち、膝の痛みや腫れが続く場合は整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会「変形性膝関節症」https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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