膝蓋骨バロットメントテスト(Patellar ballottement test)
目的
膝蓋骨バロットメントテストは膝蓋骨を圧迫して膝関節内が膨張していないかどうかを調べる検査方法です。
特に発症しやすい部位は膝蓋骨周辺内部で、悪化すると関節が腫れあがり、水が溜まったような状態になることがあります。
水の正体は滑液です。
これを俗に関節水腫(かんせつすいしゅ)といいます。
このテストで陽性反応が出てしまった場合、膝蓋骨周辺(裏側など)に水が溜まっていることが疑われます。
実施方法
1. 患者さんを仰臥位にさせます。
2. 検者は患者さんの患側に立ち、患者さんの膝関節を軽く屈曲させます。
3. 検者は一方の手で患者さんの大腿部を抱え込むように持ち上げ、他方の手先で患者さんの膝蓋骨を包み込むように持ちます。
4. 検者はベットに向かって(直下)ゆっくりと膝蓋骨を上下に動かします。
5. 同様に反対側の膝関節も実施します。
結果の評価
膝蓋骨を押さえ、水が溜まったような感じや、膝蓋骨があたかも浮いているような感じがあれば陽性反応です。
関節内に余分な滑液が溜まると、滑液が膝蓋骨の上方や膝蓋骨の裏側に溜まるので膝蓋骨を押さえると水が溜まったような感覚があります。
参考
関節が腫れ、水が溜まってしまうと『正座がしにくい』『階段の歩行時に膝に痛みがでる』『膝から鈍い音がする』『膝が熱っぽく腫れる』などの症状があらわれるようになります。
量にもよりますが、関節に水が溜まったら、水を抜きとらなければ症状が改善されることはありません。