扁平足による機能障害とは?|土踏まずが低下する原因・足裏や膝の痛み・改善する運動や靴選びを徹底解説

足裏には、内側縦足弓(ないそくじゅうそくきゅう)・外側縦足弓(がいそくじゅうそくきゅう)・横足弓(おうそくきゅう)と呼ばれる3つのアーチがあります。足底の骨は、全体として距骨(きょこつ)を頂点とするアーチ構造を形成するように、様々な靭帯によって連結されています。これにより、3つのアーチが作り出されているのです。

足のアーチ構造
足のアーチ構造

  • 内側縦足弓:内側の縦のアーチ
  • 外側縦足弓:外側の縦のアーチ
  • 横足弓:横のアーチ

これら3つのアーチの中で最も大きいのが内側縦足弓で、内側縦足弓は一般的に『土踏まず(つちふまず)』と呼ばれています。内側縦足弓は体重が最もかかる部分で、足底に広がる幅広の足底腱膜(そくていけんまく)が、アーチの両端の骨を引き付けることで、上方へしなったアーチ構造を作り出しています。

この内側縦足弓(土踏まず)が消失して、足裏が平らな状態になった足を、俗に扁平足(へんぺいそく)といいます。

扁平足の種類

先にも述べたとおり、足裏の靭帯や筋、腱などが、これら3つのアーチ構造の形成・維持に大きく貢献しています。3つのアーチの中で中心的な役割を果たすのが内側縦足弓で、これを中心に、各足底弓がバネの役割を果たし、歩いたり、走ったり、ジャンプしたりしたときに足裏にかかる着地衝撃を吸収します。

しかし、足裏の靭帯や筋、腱などが弱くなると、足底腱膜が緩むのでアーチ構造が崩れ、やがて扁平足になってしまいます。これにより、足裏の衝撃吸収機能が低下してしまうので、次第に足裏に疲労感を感じたり、足裏に痛みを感じたりするようになるのです。

扁平足には『先天的なもの』と『後天的なもの』の2種類があります。生まれたばかりの赤ちゃんはほとんどが扁平足ですが(赤ちゃんの頃は土踏まずに脂肪がたくさんついているため)、通常は成長とともに歩く時間や運動量が増えることで、2〜3歳頃から土踏まずが形成され始め、8〜10歳頃に土踏まずが完成します。しかし、この時期に骨や筋肉の発達が不十分で、土踏まずが形成されずに足裏のアーチができないまま大人になる方がいます。これが先天性扁平足(せんてんせいへんぺいそく)です。

これに対し、後天性扁平足(こうてんせいへんぺいそく)は、一度は土踏まずが形成されたにもかかわらず、合わない靴や運動不足などによって生じる扁平足のことをいいます。足裏のアーチは靭帯とともに足裏の筋肉によっても支えられているので、幼少期に歩く機会が少なかったり、大人になってからも運動不足で足裏の筋肉が弱かったりすると、扁平足になりやすくなります。また、足に合わない靴を履き続けることも扁平足の原因になります(ちなみに、肥満などの体重の過多も、扁平足の原因の一つになります)。なお、中高年では、土踏まずを内側から支える後脛骨筋(こうけいこつきん)の腱が弱る「後脛骨筋腱機能不全」によって、後天的に扁平足が進むこともよく知られています。

扁平足の機能障害

では、扁平足が原因で起こる症状・機能障害には、どのようなものがあるのでしょうか。主な症状としては、足裏や下腿部が疲れやすい、歩くときに足裏や膝が痛む、などが挙げられます(足裏のアーチは歩行時の接地の衝撃を和らげる働きをしており、扁平足になると歩行時の膝への衝撃も大きくなります)。また、歩き方が悪くなり、それに伴って腰痛・肩こり・頭痛などを誘発することもあります。

理想的な歩き方は、足裏の体重移動を中心にみていくと、順に、

  1. 踵から接地する。
  2. 小趾側を通って前に体重をかける。
  3. 小趾側から母趾側(母趾球)に体重を移動する。
  4. 母趾でしっかり地面を蹴る。

特に、3.〜4.のところで、母趾球(母趾の付け根の部分)で地面を蹴るだけでなく、地面をつかむように足指をしっかり使うことが、足底筋の筋力を鍛えて土踏まずのアーチを保つ(形成する)うえでも、とても重要です。

その他、足先は進行方向に真っ直ぐ向ける(外側や内側に向けない)、膝は伸ばしきらず軽く曲げた状態にする、自分に合った歩幅で歩く、なども歩くうえで重要なポイントです。扁平足になると、上記のようなことがうまくできなくなるので、足裏全体で接地するようなペタペタとした歩き方になったり、痛みをかばうためにバランスの悪い歩き方になったりします。

扁平足やそれに伴う痛みを改善するには

扁平足の改善には、裸足で歩いたり、フットシャクトリータオルギャザーなど足裏や足指を使った運動で足底筋を鍛えること、インソールなどで足裏のアーチを作るよう補助すること、足に合った靴で歩くこと、などの方法があります。

扁平足では足裏に痛みが生じることがありますが、同じように足裏に痛みを生じる疾患に足底腱(筋)膜炎があります。

足底腱(筋)膜炎
足底腱(筋)膜炎

これは、土踏まずを作る足底腱膜が踵の骨(踵骨)に付いているのですが、スポーツなどで繰り返し足底腱膜に力が加わると、踵骨とつながっている部位に引っ張り合うような力がかかり、炎症を起こして痛みが生じるものです(症状が悪化すると、踵骨に骨棘と呼ばれる尖った骨が形成されることもあります)。

足底腱(筋)膜炎は、ランニングなどスポーツをしている人に起こりやすく、扁平足ではなく、どちらかというとハイアーチ(土踏まずのアーチが高い)の人に起こりやすい疾患です。症状としては、朝起床時の着地第一歩目の痛みが強く出るのが特徴で、日中になると痛みをほとんど感じなくなり、夕方からまた足裏が痛み出します。この場合は腱が炎症を起こしているので、安静やテーピングで足底腱膜にかかる負担を軽減することが症状の改善につながります。また、足底筋を伸ばすストレッチを行うこともとても有効です。

扁平足はどう見分ける? 放置した場合のリスク

扁平足かどうかは、ある程度セルフチェックできます。床に濡れた足で立って足跡を見たとき、土踏まずの部分まで足裏全体がべったりと写る場合は、扁平足の可能性があります。また、後ろから見て踵が「く」の字に内側へ倒れている(足首から下が外側に開いている)場合は、外反扁平足といって、アーチが崩れているサインです。立っているときは土踏まずがなくても、つま先立ちをするとアーチが現れる場合は、まだ柔軟性が保たれている軽度の状態と考えられます。

扁平足は、痛みがなければ必ずしも治療が必要とは限りませんが、放置してアーチの崩れが進むと、足裏や膝・腰の痛み、外反母趾、足の疲れやすさなど、様々なトラブルにつながることがあります。特に、大人になってから片足だけ急にアーチが落ちてきた、内くるぶしの下が痛む・腫れる、といった場合は、後脛骨筋腱の障害など治療が必要な状態のこともあるため、注意が必要です。足裏や足首の痛みが続く、歩きにくい、左右で足の形が違ってきた、といった場合は、自己判断せず、整形外科などの医療機関を受診し、インソールやリハビリなどの相談をすることをおすすめします。

まとめ

扁平足は、土踏まず(内側縦アーチ)が低下・消失して足裏の衝撃吸収機能が落ちた状態で、足裏や膝の痛み、疲れやすさ、姿勢の崩れによる腰痛・肩こりなどの機能障害を招きます。合わない靴・運動不足・肥満・後脛骨筋腱の弱化などが原因です。足底筋のトレーニングや正しい歩き方、インソール、足に合った靴が改善の鍵で、足裏や足首の痛みが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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