猫背+反り腰とは

猫背+反り腰姿勢は胸椎後弯症(円背)と腰椎前弯症の複合型姿勢で主に筋力、柔軟性のバランスの乱れで起こる不良姿勢の一つです。
現代社会において運動を定期的に行っている方はあまり多くありません。

また、仮に運動を行っていたとしてもバランス良く筋力トレーニングやストレッチを行っているという方は皆無と言って良いでしょう。一般に胸の筋肉が背中の筋肉より強かったり、胸の柔軟性が低下すると胸椎後弯症になりやすくなります。

特にデスクワークを中心に行っている方ではこの姿勢が顕著に現れます。
胸椎後弯症になってしまうと頭の重心が前方にずれるために首の裏側にストレスが生じ、首や肩に不快感を感じるようになります。
また、上半身の重心も前方にずれるので腰にストレスがかかり、腰痛の原因にもなります。
更にこの姿勢が強調されると心臓や肺をはじめとする臓器に圧力がかかるようになるため様々な問題が生じるようになります。
猫背により過緊張な状態が続くと背部の筋肉はますます弱くなり、やがて首から腰にかけて丸く突出した姿勢になってしまいます。
また、背骨の後部には棘突起(きょくとっき)と呼ばれる背骨を安定させる突起物がありますが、腰椎前弯症になるとこの部分が疲労骨折を起こし背骨の安定性が保てなくなり、脊椎分離症(せきついぶんりしょう)、更には腰椎すべり症を招く恐れがあります。

猫背+反り腰姿勢はどのようにしてなるのか?

猫背+反り腰姿勢

※ 猫背+反り腰姿勢

猫背+反り腰姿勢は②前鋸筋、小胸筋(大胸筋も含む)が拮抗筋である①僧帽筋中部、菱形筋より強すぎたり、③脊柱起立筋が拮抗筋である④腹直筋より強すぎたり、⑥腸腰筋(腸骨筋、大腰筋の総称)が拮抗筋である⑤大臀筋より強すぎたり、⑧大腿四頭筋(大腿直筋)が⑦ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称)より強すぎたりするとするとバランスが崩れ、猫背+反り腰姿勢になってしまうのです。
※ 図においてショートサイドは赤色、ロングサイドは青色で表しています。

一般にショートサイド側は筋力は強いが柔軟性が劣っており、ロングサイド側は柔軟性は優れているが筋力が劣っている傾向にあります。
このように猫背+反り腰姿勢になる原因は、姿勢を保つ役割を持つ筋力の低下だけが原因になるわけではありません。
例えば胸の筋肉が拮抗筋の上背部より強くなりすぎたり、柔軟性がなくなっても骨格を正常な状態に保てなくなり、これが原因で猫背になることもあるのです。
猫背を改善するために、一生懸命、背部の筋肉を鍛えているにも関わらず、あまり効果がなかったという方は①背部の筋肉を鍛える以前に②胸部のストレッチを中心に行った方が良い場合もあるのです。
何れにせよ姿勢改善のための運動を行う前に自分がどういう姿勢タイプなのかを分析した上で姿勢改善の為のエクササイズなりストレッチをするようにしましょう。

猫背+反り腰をどう改善していけば良いのか?

猫背+反り腰を改善予防するには適切なトレーニングを行わなければなりません。
ショートサイド(強く、硬い傾向にある筋肉)側の筋肉は主にストレッチを、ロングサイド(柔らかく、弱い傾向にある筋肉)側の筋肉は主にウエイトトレーニングを実施する必要があります。
ショートサイド側

胸部のストレッチ

②胸部のストレッチ

下背部のストレッチ

③下背部のストレッチ

腸腰筋のストレッチ

⑥腸腰筋のストレッチ

大腿部前面のストレッチ

⑧大腿部前面のストレッチ

ロングサイド側

上背部の筋力トレーニング

①上背部の筋力トレーニング

腹部の筋力トレーニング

④腹部の筋力トレーニング

臀部の筋力トレーニング

⑤臀部の筋力トレーニング

大腿部後面の筋力トレーニング

⑦大腿部後面の筋力トレーニング






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
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