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女性ホルモンの関与も!?外反母趾の原因と弊害
足の親指のトラブルで我々が最もよく耳にする症状と言えば、『外反母趾(がいはんぼし)』ではないでしょうか?
ご存知の方も多いかと思いますが、外反母趾は足を上から見たときに、親指のつけ根から内側に折れ曲がり、関節が出っ張ったようにみえる病気です。
『母趾がどのくらい曲がっていれば外反母趾といえるのか』は、はっきりとした定義はないようですが、概ね、第一中足骨に対し母趾が20°以上、人差し指側に折れ曲がってたら治療を検討しなければならないレベルだと言われています。
因みに40°以上、折れ曲がって変形が重度の場合だと手術が必要な場合もあります。
症状としては特にハイヒールなどでつま先部分が狭いものを履いたりする際に親指のつけ根に痛みが生じたり、悪化すると、接触部位が赤くはれ上がり炎症を起こすのが特徴です。
何故、外反母趾になってしまうのか?
外反母趾が起こる原因は主に足の筋肉や靭帯の機能低下と考えられています。
これには『外的要因(がいてきよういん)』と『内的要因(ないてきよういん)』があり、外反母趾の原因の大半は『外的要因』にあると言われています。
外反母趾の外的要因
外的要因はやはり『自分に合わない靴を無理やり長時間履き続けてきた』ということにあります。
外反母趾と靴はとても密接な関係がある病気で、特につま先部分が細く(パンプス)、ヒールが高い靴(ハイヒール)を長期に渡り、多用してたことによって起こりやすく、発症者の実に90%以上は女性だと言われています。
しかも、10代後半から30代にかけて、自分に合わない靴を長年愛用していた女性が、40~50代頃になって痛みを訴えるケースが目立ちます。
普段、履いている靴がハイヒールで且つ、踵の高さが高くなればなるほど足根骨の中足骨が内反(中足骨が外に開くようになる)するようになるので、それに伴い足の靭帯が緩み、ますます外反母趾になりやすくなるのです。
外反母趾はその名の通り、足の親指が変形してしまったものだと考えている人も多いと思いますが、実際にはこのように中足骨が外に大きく広がる(開張足)ようになったことを切っ掛けに指先の向きが内側を向いてしまう病気なのです。
例え、ローヒールであってもつま先のとがったパンプス型を愛用している方なら尚更、外反母趾(内反小指も)になってしまう可能性が高くなります。
また、身体の歪み、特に股関節が内旋してX脚になっている方は重心が母趾にかかりすぎる傾向にあるため、内側縦足弓(ないそくじゅうそくきゅう:いわゆる、土踏まずのこと)が崩れ、このことが切っ掛けで重心バランスに問題が生じ、外反母趾になることもあります。
外反母趾の内的要因
内的要因はいわゆる遺伝的要素です。
自分の母親や祖母が外反母趾の場合、その子供や孫も外反母趾になる可能性が高いと言われていて、実に20歳以下の患者さんの68%は、家族内に外反母趾の人がいたという報告もあるくらいです。
最近では女性ホルモンの乱れが靭帯機能を弱め、外反母趾などにつながるのではという説もあるそうです。
何れにせよ、10代後半から30代の女性の方で今は関節の出っ張りが小さく、痛みがないからといってもそのまま放置することはあまり好ましいことではありません。
酷くなる前に早めに整形外科などの専門医に受診されることをお勧めします。
外反母趾を予防、改善する方法とは?
外反母趾になってしまったらインソールなどを用い、調節することで腫れや痛みなどの初期のトラブルをある程度、改善することができます。
しかし、それ以前に外反母趾のトラブルを改善するには、まず、自分にとって適切な靴を選ぶ必要があります。
合う靴が見つけられない場合には、自分にあった靴を選んでくれるシューフィッターのいる靴屋さんに一度、相談されると良いかもしれません。
何れにせよ、靴を買う場合は、足がむくんで大きくなっている夕方が良いかもしれません。
また、当然のことながら足に負担をかけてしまうハイヒールやパンプスなどの使用はなるべく避けるべきだと思います。
痛みがある場合には、痛み止めの薬や貼り薬などが用いられることもありますが、そこは素人判断せず、なるべく早い段階で専門医(整形外科)にかかることをお勧めします。
外反母趾や内反小趾はハイヒールなどの靴の問題ばかりではなく、足底や足の指などの筋肉が正しく使われないために筋肉が衰え、靭帯が緩んでしまったことも要因となりうるので『フットシャクトリー』、『タオルギャザー』と呼ばれるエクササイズで足底筋を鍛える必要があります。
足に疲労がたまってしまうと痛みをかばって無理な歩き方をしてしまい、余計に足の負担を増やしてしまうため足全体をマッサージするのも有効だと思います。