つま先立ちが出来ない!脚の親指が痛い!強剛拇趾とは

一般的に足の親指が痛いという症状で真っ先に思い浮かぶのは外反母趾(がいはんぼし)だと思いますが、同じ部分が痛むものでも外反母趾ではない傷害も存在します。
それが『強剛母趾(きょうごうぼし)』です。

外反母趾は足を上から見たときに、親指のつけ根から内側に折れ曲がり、関節が出っ張ったようにみえる病気で、出っ張った部分が靴に接触することで患部に痛みを感じます。

一方、強剛母趾は、外反母趾とは異なり、親指がつけ根から内側に折れ曲がることはなく、母趾のつけ根付近(足の甲側)を触るとボコっと骨が出っ張ったような感触があります。
強剛母趾は、外反母趾と同じく親指の付け根の部分に痛みを感じるのですが、痛みを感じるのは真横ではなく、足の甲側で特に親指を反らしたりすると痛み、場合によっては関節が腫れあがることもあります。

強剛母趾になりやすい方の特徴

強剛母趾は、足の親指に強い負担がかかることが多い方に発症します。
特にテニス、剣道、柔道、社交ダンスなどつま先立ちになることが多いスポーツを実施している方や、普段から高めのハイヒールを履いている方は発症しやすいと言われています。
足の指が反った状態で体重がかかることで足根骨の中足骨、基節骨付近で大きな荷重がかかるので、関節の軟骨が擦り減り、やがて骨棘(こつきょく)という突起物が形成されてしまうのです。
骨棘は文字通り、骨の棘(とげ)のような異物なのでのこれが形成されてしまうとやがて母趾を反らすことができなくなってしまいます。
症状が悪化するとつま先立ちなど、母趾を反らすときに痛みが伴い、また、骨棘ができたあたりに腫れが生じ、ハイヒールなども履けなくなります。
更に悪化すると走ることは勿論、普通に歩くことすらままならない状態になってしまいます。

何故、強剛母趾になると歩くことが困難になってしまうのか?

普段、我々はそこまで意識することはないと思いますが、歩いたり、走ったりする際は思いのほか母趾に負担がかかります。
歩行動作には大きく

  1. 遊脚相:脚がちゅうに浮いてる状態
  2. 立脚相:足が地面に設し身体を支えている状態

の二つの動作に大別できます。
人間は歩いたり走ったりする際に踵(かかと)の外側から着地し、重心が足の外側から小指側に移動し、そして徐々に小指球側から母趾へと重心が移動します。
そして、最後は母趾球で地面を力強く蹴ることで身体を進行方向へと前進させることができるのです。
この際、強剛拇趾になってしまった方は母趾の付け根の関節が曲がらない(伸展)ため地面をうまく蹴ることができないのです。
この状態のまま、スポーツを長期に渡って実施したり、高いハイヒールを履き続けているとやがて骨棘(こつきょく)がく形成され、日を追うごとに徐々に大きくなり、痛みも比例して強くなっていきます。
やがて、歩くことすら困難な状態になってしまうのです。
骨棘は一度できると自然に消滅することはありません。
場合によっては、骨棘を取り除くための手術を行うこともあります。
関節の動きがほとんどなく、関節軟骨も残っていない重度の強剛母趾の場合は、関節の角度を歩きやすい角度に固定してしまう手術を行うこともあります。
何れにせよ、症状の強さや骨棘の大きさ、関節軟骨の摩耗具合で総合的に判断し治療されます。
軽度であれば母趾の関節が曲がらないようにするために靴底が硬い靴を履くことで負担を減らすことができます。

強剛母趾と間違えてしまうこともある痛風、関節リウマチ

こうした親指のつけ根に痛みや腫れなどの症状が出て、強剛拇趾と間違われやすいものとしては外反母趾の他にも痛風、関節リウマチなどがあります。
痛風は生活習慣病の一種で、プリン体を多く含む食事を多く摂取することで発症します。
そのような食習慣を続けているとやがて、血液中の尿酸値があがり、尿酸が母趾の関節に結晶となってたまり、それが原因で関節に炎症が起こって痛みが生じます。
関節リウマチは関節を覆う滑膜(かつまく)に炎症が起こって、ほおっておくとやがて軟骨や骨が壊されていきます。
関節リウマチの場合は親指だけではなく足全体の関節に影響が出るので足全体に違和感を感じた場合はリウマチを疑う必要があります。
何れにせよできるだけ早くに整形病院に行き、診察してもらうことが大切です。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
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