下肢拳上テスト(Straight leg raise)
目的
下肢挙上テストは英語ではStraight Leg Raise(ストレートレッグレイズ)テストといい、その頭文字をとって単にSLR(エスエルアール)と呼ぶことがあります。
下肢挙上テストは整形外科学検査法の中で最も多用されるテストの一つで、主に坐骨神経の神経根症状誘発テストとして用いられたり、単にハムストリング(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の総称)の柔軟性を調べるときなどにも用いられます。
実施方法
結果の評価
- 股関節の屈曲角度が35°~70°の範囲で臀部、大腿部後面に局所的な痛みがはしったり、坐骨神経の経路に沿って広がるような痛みが生じた場合は陽性反応が出たとみなします。
- 陽性反応が生じた場合、第5腰椎神経根から第2仙骨神経根にかけての神経が圧迫されていることを疑います。
- 股関節の屈曲動作が70°までで痛みが再現されない場合はテストは陰性となります。
また35°程度までは坐骨神経に負荷がかからないので、仮に痛みが出たとしても35°以内であればテストは陰性となります。 - SLR動作で陽性反応が生じたとしても必ずしも椎間板ヘルニアであるとは限りません。
参考
SLRテストを行なった際に坐骨神経の経路に沿って神経症状が誘発されるのか、あるいはハムストリングの柔軟性が原因で痛みが誘発されるのかを明確に判断する必要があります。
臀部やハムストリング、下腿三頭筋などに放散痛が生じた場合は坐骨神経痛を、膝の後面ににぶい痛みが生じた場合はハムストリングや腓腹筋の柔軟性が低下したことによるものと判断します。
坐骨神経痛の場合は椎間板ヘルニアを疑います。