O脚とX脚とは?歪みの原因は骨盤、股関節にあった!

O脚(おうきゃく)X脚(えっくすきゃく)は現代人が抱える現代病としても有名な症状です。

O脚はまっすぐに立った時、脚のラインが直線ではなく、外側に歪曲して、膝やふくらはぎがつかずに内側に空洞ができてしまう状態の事をいいます。(ニーアウト・トゥイン)

シルエットがアルファベットのOの字に似てる事からO脚という呼び名になりました。
実に日本人の8割以上の方がO脚だと言われています。

O脚とX脚の構造

O脚とX脚の構造

また、X脚は両足をそろえて立ったときに、内側のくるぶしはつかないのに膝がぶつかってしまう状態をいいます。(ニーイン・トゥアウト)
真正面から見たときに足が『くの字』(内側に歪んで内股になってしまっている)に曲がり、調度、アルファベットのXの文字にも見えることからX脚と言われています。
一般に欧米人に多く見られ、男性よりも女性に多いといわれています。

脚の歪みの原因は骨盤と股関節にある

O脚にせよX脚にせよ、歪みの原因はほとんどは骨盤と股関節にあります。
骨盤は脊柱を支える土台的な役割を果たし、股関節は大腿骨と骨盤をつなぐ部分で、全身のバランスの支点となるところです。
骨盤の両側に空いたくぼみに大腿骨の骨頭がぴったりと納まっていて、球形の骨頭が前後左右に回せるようになっています。
膝関節や足関節も身体の重い体重を支えていますが、股関節にかかる負荷は体重のおよそ3~4割ほどです。
片脚で立った場合は反対側の脚の重さが加わり、片方の股関節にかかる負荷は体重の3~4倍にもなってしまいます。
もし、骨盤に歪みがあると常に何かしらの負荷が股関節に掛かるようになり、それが長期化すると単に見た目が悪いだけではなく、やがて股関節や膝関節が変形し、身体に様々な悪影響を与えるようになります。

股関節と下腿部の内外旋で変わる脚のライン

脚の歪みのパターンは股関節の内旋-外旋、股関節の内転-外転、脛腓関節の内旋-外旋などが複雑に絡み合うことでより複雑になります。

O脚のメカニズム

O脚

O脚

O脚の方の骨盤は、後傾(うしろ側に傾く)している特徴があります。
これに伴い、股関節は外旋しようとするので自然に膝が外側へ開くようになります。更に膝関節の屈曲、下腿部(主に脛骨)の外旋が付加的に加わることでO脚になります。
「O脚はただ足が曲がっていて見た目が悪いだけ」と気にせず、長期間放置し続けるとやがて膝や腰の痛みを発症するようになります。

X脚のメカニズム

X脚

X脚

X脚の人の骨盤は、前傾(前側に傾く)している特徴があります。
これに伴い、股関節は内旋しようとするので自然に膝が内側を向くようになります。更に膝関節の伸展、下腿部(主に脛骨)の内旋が付加的に加わることでX脚になります。
X脚になると一般的に重力(自体重)が膝の内側にかかるようになるのでそれに伴い、内側縦足弓(土踏まず)が消失してしまいます。

土踏まずが消失すると足裏の負担が高まるだけではなく、外反母趾(がいはんぼし)が誘発されてしまう可能性もあります。

骨盤、股関節の歪みを確認してみよう

このようにO脚、X脚は一見して膝関節のゆがみによって生じるように見えますが、実は骨盤と股関節のゆがみが大きな原因となっています。
それではここで簡易的にできる骨盤、股関節の歪みのチェック方法をご紹介します。

右股関節の外旋変位

右股関節の外旋変位

まず、仰向けに寝ます。このときに腰のところに手のひら一枚分の隙間がある場合は正常です。手のひら二枚分、あるいはこぶしが入ってしまうくらい隙間がある場合は骨盤は前傾、手のひら1枚分より狭い、あるいは手の平が入らない場合は骨盤は後傾しています。
また、同時につま先の向きも確認してみてください。

写真のモデルの場合は左側は正常なのですが、右側は股関節が外旋しています。この場合、O脚になる要素があるわけです。
もし、このときにつま先が内側を向いているようなら股関節が内旋しているのでX脚になる要素があります。
加えて、仰向けに寝たときに膝うらと床との間に隙間がかなり空いてしまっているようなら膝が伸びず、膝関節が屈曲してしまっているという証拠になります。

さまざまな脚のライン

一般に男性はガニ股の方が多く、女性は内股やO脚の方が多いといわれています。
また、欧米人ではX脚が多いと言われています。
このように脚のラインが性別や人種別によって異なってくるのは骨格や筋力、柔軟性、生活習慣など、いくつかの要因が重なった結果と考えられています。
若いうちは単なる見た目の悪さだけで済みますが、これに加齢が加わると痛みの強い整形外科的疾患につながるリスクが高くなるのでなるべく若いうちに対応した方が良いと思います。
いずれにせよ、このような状態が長期間続いた場合、癖が固定化して、股関節周りの筋肉の筋力や柔軟性、筋肉の表面を覆っている筋膜の硬化がかなり進行してしまっていることが考えられるので短期間に結果を出そうとしては却って危険です。
また、骨盤の歪みにとどまらず、骨の変形などが認められる方は整形外科医などの専門家の管理のもとで運動を行うことをお勧めします。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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