足関節内反ストレステスト(Inversion stress stability test-ankle)
目的
足関節の周囲には様々な靭帯が存在し、それらが足首の安定性を高めています。
しかし、転倒などで足首を強く捻ってしまうと時に靭帯を伸ばしてしまったり、最悪の場合は靭帯そのものが切れてしまうことがあります。
これにより靭帯の支持能力が失われてしまうのでほんの些細なことで足首を捻挫するようになってしまいます。
足関節にある靭帯の異常を調べる方法として『足関節内反ストレステスト』というテストがあります。
このテストは『踵腓靭帯(しょうひじんたい)』『前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)』『関節包(かんせつほう)』に問題があるかどうかを調べるテストです。
このテストで陽性反応が出てしまった場合、前距腓靭帯、踵腓靭帯、関節包の損傷(断裂、靭帯が伸びる)が疑われます。
実施方法
1. 患者さんを仰臥位にさせます。
2. 検者は患者さんの患側に立ち、一方の手で患者さんの下腿部(スネのあたり)を押さえ、もう一方の手で患者さんの足の踵を包み込むように持ちます。
3. 検者はベットに向かって(直下)ゆっくりと下腿部を圧迫し、もう一方の手で踵を内側(足関節の内反)に捻ります。
4. 同様に反対側の膝関節も実施します。
結果の評価
このテストにより踵の内側へ動き(足関節の内反)が大きい場合は陽性反応とみなされます。
陽性の場合、前距腓靭帯、踵腓靭帯の損傷、及び断裂が疑われます。
参考
一般に足関節はもっとも捻挫が多発しやすい場所としても知られています。
捻挫のなかでも特に多発しやすいのが『内反捻挫』と呼ばれる捻挫です。
内反捻挫の多くは前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、後距腓靭帯(こうきょひじんたい)、踵腓靭帯(しょうひじんたい)を損傷してしまいます。
内反捻挫を繰り返すことで足関節が不安定になってしまうので、いわゆる『捻挫癖』に陥ってしまうこともあります。