骨盤(こつばん)
骨盤(こつばん)
英語名称
pelvis(ペルヴィス)
解説
骨盤(こつばん)は大腿骨と脊柱の間にあり、身体を支える重要な働きをもっていて正に身体の要(かなめ)と呼べる部分にあたります。骨盤の中央には仙骨(せんこつ)・尾骨(びこつ)があり、左右両端には寛骨(かんこつ)があります。
骨盤周辺には数多くの靭帯があり、強固に一体化しているのでまるで一群の骨と化しています。
仙骨と寛骨では『仙腸関節(せんちょうかんせつ)』と呼ばれる関節があり、実に多くの靭帯が存在します。
お医者さまの中には仙腸関節は動かないと明言している方もいるようですが、数多くの靭帯があることから考えても仙腸関節は動かないのではなく、ある限度をもって動く必要があるのです。
本当に動く必要がないのならそもそも靭帯は存在しないはずです。
ひと昔の日本の解剖学の授業などでは『仙腸関節は不動関節あるいは半関節』として教えられており、それがいまだ強く根付いているので公には、仙腸関節は動かない関節であるとされていることが多いようです。(近年では臨床の場では『仙腸関節は動く』と考えている整形外科医も増えてきているようです)
しかし、実際には画像検査ではほとんど判らない程度の数mmのわずかな動きを有しています。
そのわずか数mmの動きが出来るからこそ、足をスムーズに、より自然に高く持ち上げることができるのです。
仙骨は第5腰椎とで腰仙関節と呼ばれる関節を構成しています。
また、骨盤底(こつばんてい)と呼ばれる部分は臓器や器官を守る役割を果たしています。
骨盤は、全身の骨格で最も性差(男女差)が大きい部分とされていて、骨格しか残ってないご遺体に骨盤が残っていればその形をみることで男女どちらかなのかを判断できるのです。
なぜ、これほどまでに性差が大きいかというとやはり、出産が大きく影響しており、出産の際に女性の骨盤腔を胎児が通過するためです。
女性は成長するにつれて腸骨翼の広がりが大きくなりますが、男性は、腸骨翼の広がりの変化は少なく、岬角(こうかく)が突出します。
恥骨結合も男女で異なり、女性の方が角度は広く。男性はやや狭くなっています。
名称も異なり、男性の場合は『恥骨下角(ちこつかかく』、女性の場合は『恥骨弓(ちこつきゅう)』と呼ばれます。
骨盤にある股関節は非常にストレスがかかりやすく痛めやすい場所です。股関節では上前腸骨棘剥離骨折や鼠径部痛症候群(スポーツヘルニア)などが有名です。
仙腸関節においては『仙腸関節障害』などが有名です。
構成する骨の詳細につきましては下記からご確認ください。
1.寛骨
主に起始する筋肉
腸骨筋、縫工筋、大臀筋、中臀筋、小臀筋、梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋、恥骨筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、半膜様筋、半腱様筋、大腿二頭筋、腹直筋、内腹斜筋、腰方形筋、広背筋など
主に停止する筋肉
主に構成する関節
上前腸骨棘剥離骨折など