正しい姿勢の見極め方|骨と関節の5点アライメント

日常生活動作や様々なスポーツ動作は主に体幹部で作られたパワーを手や足などの抹消部に伝えることによって行われます。(これをキネティックチェーン:動きの連動連鎖といいます)しかしながら何らかの原因で体幹部に問題があると姿勢が悪くなってしまいスポーツ動作を円滑に行えない(キネティックチェーンが途切れてしまうため)どころか日常生活にさえ支障をきたすことさえあります。背骨や骨盤といった体幹の骨が正しい位置に並び、関節が安定して初めて、力は無駄なく手足へ伝わるのです。

姿勢が悪くなってしまう主な原因は筋バランスの乱れ、つまり筋力バランスと柔軟性(ストレッチ)バランスが左右、あるいは拮抗筋群との間でとれなくなってしまうことにあります。

この場合、パワーの発揮は抹消部(手足)が受けもつことになるので、どうしても身体に負担が掛かり、障害に繋がりやすくなってしまいます。このように正しい姿勢を保つということはスポーツパフォーマンスを高める上でも日常生活を快適に営む上でもとても重要であると言えるのです。それでは一般的にいう『正しい姿勢』とはどのような姿勢を指すのでしょうか?

正しい姿勢とは

正しい姿勢とは脊柱(背骨)、肩甲骨、骨盤などの骨が正常な位置にあり、主動筋、拮抗筋がバランス良く動き、疲労しないような効率の良い姿勢のことをいいます。このとき背骨は自然なS字カーブ(生理的弯曲)を描き、筋肉や関節への負担が最も少ない状態で体重を骨格で支えることができます。それでは以下に正しい姿勢の定義をご紹介します。

正しい姿勢のアライメントチェックポイント

具体的には、身体を真横から見たときに、上から耳孔(耳の穴)→肩峰(肩)→大転子(股関節)→膝関節前部→外踝(外くるぶし)前方という骨のランドマークが、ほぼ一直線(重心線)上に並ぶのが理想的な姿勢とされています。これら4点、あるいは5点中1点でも狂いがあると、いわゆる生理的湾曲が崩れ、不良姿勢と呼ばれる状態に陥ってしまいます。この重心線は複数の医療・健康機関でも共通の基準として紹介されており、骨と関節の並び(アライメント)を見極めるうえでの基本となります。

骨のランドマークから関節のアライメントを見極める

姿勢の良し悪しは、見た目の印象ではなく、骨の位置関係=関節のアライメントで客観的に判断します。例えば、大転子(太ももの横の出っ張り)が垂線より必要以上に後方にあると、腰が反った腰椎前弯症(反り腰)になりやすく、腰椎の棘突起や椎間関節へのストレスが増します。逆に大転子が前方にずれると、腰を前に突き出したような疲労姿勢になります。このように、一つひとつのチェックポイントは特定の骨・関節の傾きを映し出しており、どこがずれているかを知ることが、改善すべき筋バランスを特定する手がかりになるのです。

デジタルカメラを使ったアライメントチェックの手順

具体的な測定方法としては第三者に真横から見てもらうのが最も簡易的です。しかし、ある程度熟練した人に見てもらわないと見誤ることがあります。そこでお勧めしたいのがデジタルカメラを使用してアライメントチェックする方法です。まず用意するものとしてはデジタルカメラ、三脚、三角定規、赤の油性ペンなどです。また、撮影の際は体のラインを読みやすくするためTシャツやスパッツを着用して撮影に望むことをお勧めします。以下が手順です。

  1. デジタルカメラに三脚を取り付け、デジタルカメラが水平になるようにセッティングします。
  2. 壁から約20~30cm離れたところに立ち、撮影をします。このときモデルは力を抜き、なるべく姿勢を意識せず普段の立位姿勢を再現するようにします。
  3. 写真撮影を終えたら三角定規、赤の油性ペンなどを用いて外踝前方から垂線を引きます。
  4. 赤いラインに対しチェックポイントがどこにあるかをチェックする。

これにより目視よりも的確なアライメントチェックができます。撮影した写真は記録として残しておくと、トレーニングやストレッチを続けた後の姿勢の変化を、前後で客観的に比較できるのでおすすめです。なお、壁を使って後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが自然につくかを確認する簡易チェックも、骨・関節の並びを把握する手軽な方法として併用できます。

まとめ

正しい姿勢とは、背骨・肩甲骨・骨盤などの骨が正常な位置にあり、関節に偏った負担がかからない効率の良い姿勢です。見極めの基本は、真横から見て耳孔・肩峰・大転子・膝・外踝の5点が一直線に並ぶか。デジタルカメラと垂線を使えば目視より正確にアライメントをチェックでき、自分の姿勢タイプの把握と改善の第一歩になります。

参考文献・出典

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