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ストレートネックとその主な原因と改善方法
ストレートネックは直訳すると『真っ直ぐな首』という意味です。
文字通り、頚椎が真っ直ぐな状態(横からみたとき)のことで、これ自体は疾患ではありません。
ストレートネックは不良姿勢の一つに含まれ、頚椎の前弯の角度(C1椎体からC7椎体までの角度)が30°以下の状態を言います。
30°以下になると首回りを中心とした様々な不快症状が発症するようになります。
ちなみに、正常な頚椎の前弯(前に凸している状態)角度は30°から40°と言われています。
極端な場合、前弯が少なくなるどころか頚椎が後ろに凸(後弯)してしまっているケースすらあります。
ストレートネックは老若男女問わず発症し、近年では子供でも発症すると言われています。
パソコン、スマートフォンなどを長時間の使用し、うつむいた姿勢を続けることにより首まわりの筋肉が硬直し、やがて頚椎の前弯が失われてストレートネックになってしまうのです。
ストレートネックによる症状
脊柱(背骨)は真横からみたときにS字状の弯曲があります。
これを生理的弯曲と言い、通常、頚椎は前に凸(とつ)、胸椎は後ろに凸、腰椎は前に凸、仙骨・尾骨は後ろに凸しています。
前に凸していることを前弯(ぜんわん)、後ろに凸していることを後弯(こうわん)と言います。
何故、S字状の弯曲があるかというとS字状の弯曲があることで歩いたり走ったりするときに床からの伝わってくる衝撃を干渉させることができるのです。
このように生理的弯曲があることでそれがショックアブソーバーの役割を果たし、身体にかかる負担を軽減させることができるのですが、正常な弯曲が失われるとその衝撃を吸収することができなくなるため様々な症状が出ます。
主な症状としては首の動きが悪くなる(特に真上を向く動き(頚椎の伸展動作))、首の痛みや痺れ、頭痛、肩こりなどが多く、人によっては自律神経失調症に至ることもあります。
その他の症状としては
・めまい、ふらつき感がある、胸焼け、吐き気、眼精疲労、目のかすみ、肩が上がらない、五十肩、背痛、腰痛 etc….などがあげられます。
但し、ストレートネックと診断されても上記の症状が出ない方もいます。
それは今現在、その方の筋力が十分あるかないかによるところが大きいからです。
しかし、ストレートネックを放置して、先のような下を向く生活を長期間続けてれば必ず近い将来、様々な不快症状を発症するでしょう。
ストレートネックの簡易的なチェック方法
簡易的な確認方法は以下の手順になります。
- 壁を背にして直立します。
- 靴やスリッパを脱ぎかかとを壁にくっつけます。
- 背中を壁にくっつけます。
- あごを少し引きます。
この際、頭が壁にくっついている場合は頚椎の前弯がある正常な状態ですが、頭が壁から離れてしまっている場合はストレートネックの可能性がありますので、気になる場合は一度整形外科に診察される事をお勧めします。
ストレートネックの主な原因
ストレートネックの原因は首まわりにとどまらず様々あります。
1.慢性的なうつむき姿勢
- パソコン作業やスマートフォン操作をする場合、ほとんど顔を斜め下にしたうつむいた姿勢をとることが多いです。
このうつむき姿勢は首への負荷が高く、筋肉が硬く縮みストレートネックになってしまいます。
因みに頭自体の重量は4〜5kgほどありますが、頭が前に出たりうつむくことでその負担は増大します。
30°下にうつむくと18kgの負荷が、60°下にうつむくと5倍強の27kgの負荷が首にかかります。
2.スポーツ障害
- バレエや社交ダンスなど過度の姿勢矯正している人は姿勢を意識するあまり、顎を引く姿勢をとるため頚椎の前湾が失われます。
その他にはボクシング、レスリング、柔道などの競技を行う場合も頭部や首への衝撃や顎を引き背中を丸くした姿勢をするため発生します。
また、スキーやスノーボードの転倒や車の衝突事故によるムチ打ちなどでも発症します。
3.枕の高さが身体と会わない
- 硬すぎたり高すぎる枕を使用していると寝ている最中に頚が前傾している状態になります。
また、寝返りを打った時の横向き状態にも注意が必要です。
仰向け状態ではちょうど良い高さでも、横向きになると頚が少し落ち状態となり頚への負担は高くなります。
4.骨盤や股関節の問題
- 骨盤や股関節に問題があると問題を補完するため、背骨全体の湾曲に影響を及ぼし首の生理的前弯が失われます。
5.加齢、老化
- 頚椎椎間板症や頚椎症など、首の椎間板や骨の退行性変性から発生します。
ストレートネックの改善方法
ストレートネックは日常の姿勢によって起こります。現在の状態を確認しながら痛みの無い生活を送ってください。
1.うつむき姿勢をなくす
- うつむき姿勢をしなくすることで首への負担を減らすことができます。
パソコン作業やスマートフォンを使用しているとき、本を読んでいるときは極力目線は下げ過ぎないようにし、背筋を真っ直ぐ伸ばすよう心掛けましょう。
尚、スマートフォンを片手で操作する場合は操作する腕を立て、反対の手を肘のしたのに添えるのが正しい姿勢となります。
2.ストレッチを行い、硬くなった筋肉を伸ばす
- 首だけではなく周りの筋肉のストレッチを行うことで改善させることができます。
ストレッチをしている最中に痛みが出た場合は痛みが無い範囲で行ってください。