片足立ち腰椎伸展テスト(One leg standing lumber extension test)
片足立ち腰椎伸展テスト(One leg standing lumber extension test)
目的
患者さんが腰の痛みを訴える場合、何が原因で痛みが誘発されているのかを特定しなければなりません。
痛みは『腰椎椎間板ヘルニア』によるものか、『脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)』によるものか、痺れはあるか、ないのかなど一つ一つチェックしていきます。
『腰椎分離症(ようついぶんりしょう)』、『腰椎すべり症』の場合、腰を反らせることで痛みが誘発されてしまいます。
このとき片足立ちで腰を反らせることで腰椎の関節突起間部への部分的な圧力が増すため、どちら側の関節突起間部にひびや骨折が生じているのかを特定することができます。
実施方法
1. 患者さんを立位にさせ、腰に手を添えてもらいます。
2. 検者は患者さんの後方に立ち、左右どちらかの股関節と膝関節を曲げ、その状態のまま腰を反らすように指示します。
3. 検者は患者さんがいつバランスを失って倒れてもいいように、後方から助ける準備をしておきます。
4. 同様に反対側も実施します。
結果の評価
このテストにより腰部に痛みが出た場合は陽性反応と見なされます。
片足立ちで片側に強く痛みが発症した場合は膝をあげた側の反対側の関節突起間部にひびや骨折があることが疑われます。
参考
腰椎の前弯(腰の反り)が強くなると椎骨の棘突起(きょくとっき)と棘突起が互いにぶつかりあうようになるので、棘突起の付け根部分でヒビが入ってしまったり、骨折したりすることがあります。
ヒビが入ることを『腰椎分離症』、腰椎分離症をきっかけに椎骨の位置がずれてしまうことを『腰椎すべり症』といいます。
腰椎分離症と腰椎すべり症は、症状や原因が似ているために、同じようなものだと誤解している人も多いのですが、基本的には全く違う病気です。
腰椎すべり症の度合いにもよりますが、椎骨が滑れば滑るほど、それに伴い脊柱管は狭くなります。
やがて脊柱管内部を走行している脊髄を圧迫するようになり『脊柱管狭窄症』につながることもあります。