ダブルレッグレイズテスト(Double leg raise test)とは|腰仙部・腰仙関節の異常を調べる検査の方法とSLRとの違いを徹底解説

ダブルレッグレイズ

目的

患者さんが臀部から下肢へのしびれを訴える場合は、まず『坐骨神経痛』を疑います。そのとき検査に用いられる代表的な方法が『SLR(ストレートレッグレイズ)法』です。これに対し、ダブルレッグレイズテストは、腰仙部(ようせんぶ)の異常を調べる検査法です。

SLR法(片脚を挙げる)とダブルレッグレイズテスト(両脚を挙げる)をそれぞれ実施し、しびれや痛みが誘発される角度を調べて比較します。両者を比べて、SLRより低い角度で痛みやしびれが発生した場合は、『腰仙関節(L5〜S1)』の関節異常を疑います。

これは、片脚だけを挙げるSLRよりも、両脚を同時に挙げるダブルレッグレイズの方が、骨盤や腰仙部にかかる負荷(てこの作用)が大きくなるためです。腰仙部に問題があると、より早い段階(低い角度)で痛みが誘発されます。

実施方法

1. 患者さんを仰臥位(あおむけ)にさせます。
2. 検者は患者さんの足方に立ち、両手で患者さんの足首を持ちます。
3. 検者は患者さんの両足を、膝を伸ばしたままゆっくりと持ち上げていきます。
4. テスト終了後、両足を降ろすときに腰部に疼痛を引き起こすことがあるので、ゆっくりと降ろすように心掛けましょう。

ダブルレッグレイズテスト
ダブルレッグレイズテスト(Double leg raise test)

結果の評価

あらかじめ計測しておいたSLRテストの角度よりも、低い角度で腰仙部に疼痛が生じた場合は陽性反応で、腰仙関節(L5〜S1)に異常があることを疑います。

参考

ダブルレッグレイズテストを行う前に、まずSLR法を用いて、左右の下肢のしびれや疼痛が生じる角度をあらかじめ計測しておきます。そのうえでダブルレッグレイズテストを実施し、SLRのときよりも低い角度で痛みが生じた場合は、腰仙部に異常があると考えられます。このように、ダブルレッグレイズテストはSLRと組み合わせることで、より的確に腰仙部の異常を絞り込むためのテストです。

SLRとダブルレッグレイズの違いをわかりやすく整理

この2つのテストは、どちらも「あおむけで脚を挙げる」という似た動作ですが、みているポイントが異なります。片脚を挙げるSLRは、主に坐骨神経や神経根がうまく滑り動くか(神経の引っ張られやすさ)をみる検査で、椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛で陽性になりやすいテストです。

一方、両脚をそろえて挙げるダブルレッグレイズは、骨盤が後方に回転し、腰仙部の関節に直接的な負荷がかかります。そのため、神経というより腰仙部の「関節そのもの」の問題を反映しやすくなります。SLRより低い角度で腰仙部に痛みが出るということは、神経の問題以上に腰仙関節に負担がかかったときに痛みが出ている、と解釈できるわけです。2つを比較することで、「痛みの原因が神経寄りなのか、関節寄りなのか」を推測しやすくなります。

なお、これらの徒手検査はあくまで原因を絞り込むための補助的なものです。腰やお尻・脚の痛みやしびれが続く場合は、自己判断で無理に動かさず、整形外科などの医療機関を受診することが大切です。

ダブルレッグレイズテストのまとめ

ダブルレッグレイズテストは、あおむけで両脚を同時に挙上し、腰仙部(腰仙関節 L5〜S1)の異常を調べる徒手検査です。片脚を挙げるSLRよりも低い角度で腰仙部に痛みが出れば陽性で、腰仙関節の異常が疑われます。SLR(神経寄り)と組み合わせて比較することで、痛みの原因を絞り込めます。両脚を下ろす際は腰を痛めやすいので注意し、症状が続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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