これができたら要注意!関節のゆるみをチェック

一般に『身体が硬い人』と『身体が柔らかい人』では硬い人の方が怪我をしやすく、スポーツは勿論、日常生活の様々な場面で筋肉や関節などに障害を起こしやすくなります。
しかし、『柔らかければ柔らかいほど良い』というわけではなく、過度に柔らかすぎるとかえって筋肉や関節への負担が増し、捻挫や脱臼などの障害が発生しやすくなってしまいます。
特に普段、筋力トレーニングを全く行ってない人(以下、関節がゆるい人)ではその発症率は高く、また、そのダメージは計り知れないものがあります。
『身体が柔らかい』と『関節がゆるい』の意味は全く異なりますが、同じ意味でとらえてしまっている方が多いようです。
ここであらためて両者の違いを見比べて見ましょう。

『身体が柔らかい』とは、筋肉の柔軟性や関節の可動域が適度であり、また、可動域の制限を越えるような場面に遭遇しても直ちにそれを制御するだけの筋力がある状態を言います。

一方、『関節がゆるい』とは筋肉の柔軟性や関節の可動域が過度であり、また可動域の制限を越えるような場面に遭遇しても直ちにそれを制御するだけの十分な筋力がない状態を言います。
このような状態に陥ってる人は特に子供や若い女性に多く見受けられます。
運動を指導する立場にある方は指導する前に十分にチェックを行い、それに基づいたトレーニングを実施させる必要があります。

関節弛緩性テスト

前腕部

拇指が前腕部につく

①拇指が前腕部につく

ウエイトトレーニングで常に正しいアングルを保つように注意する必要があります。
特にプレス系エクササイズで手首が背屈しすぎないように注意しなければいけません。
障害予防のためには前腕屈筋群及び伸筋群の強化が必要です。

肘関節

過伸展15度以上(反張肘)

②過伸展15度以上(反張肘)

ウエイトトレーニングではプレス系やフライ系で肘のウエイトに対する肘の位置(真下/延長上になるように)を注意し、肘をロックしないようにしなければなりません。
障害予防のためには上腕二頭筋の強化が必要です。

肩関節

背中で両手が組める

③背中で両手が組める

このテストだけではルーズショルダーとはいえません。
オーバーヘッドの動きが多い場合はインナーマッスルの強化が必要となり、逆に下側の手の位置が極端に左右差がある方がローテーターカフ群の短縮を示唆します。

股関節

外旋90度以上

④外旋90度以上

このテストだけでは股関節が浅いなどのルーズ性の判断は困難ですがおおよその目安にはなります。
傷害予防のためには股関節内外旋筋群の強化が必要です。

膝関節

過伸展10度以上(反張膝)

⑤過伸展10度以上(反張膝)

膝が過伸展になってしまっている方は下肢のトレーニングを行うときには十分注意を払う必要があります。
特に自重過重(クローズドキネティック、すなわち、スクワット、レッグプレスなど)系のエクササイズでは膝をロックさせないように気をつける必要があります。
また、ステップエクササイズでは後方に降りるときに特にロックしやすいので注意が必要です。
障害予防のためにはハムストリングス、腓腹筋の強化が必要です。

足関節

背屈30度以上

⑥背屈30度以上

このテストだけでは足首のゆるさはつかめません。
むしろ、内反動作でゆるさが顕著になるケースが多いようです。
捻挫ぐせがある場合は、外顆側の靭帯がない場合もあるので特に注意が必要です。
障害予防のためにはアライメントの徹底と長短腓骨筋などの外反筋群の強化が必要です。

体幹部

立位前屈で手掌が床につく

⑦立位前屈で手掌が床につく

腰背部の柔軟性だけなら手が床に着くことが望ましいのですが、腰背部が硬くて平らなのに手がべったり床に着く場合は、体後面のバランスがとれていないことが考えられます。
障害予防のためには体前屈のストレッチや腹筋のトレーニングを考慮する必要があります。

以上が『関節のゆるみ』を判断するテストです。
全身7箇所をチェックして4箇所以上該当したら(左右あるものは0.5とする)関節弛緩陽性者と判断されます。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

公式サイト:
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