ライトテスト(Wright’s test)

目的

ライトテストは胸郭出口症候群の検査で特に小胸筋による問題があるかどうかを調べる検査方法です。
小胸筋に何かしらの問題があると腕神経叢(わんしんけいそう)や鎖骨下動脈(さこつかどうみゃく)、鎖骨下静脈(さこつかじょうみゃく)が圧迫または牽引されてしまいます。

小胸筋周辺構造

小胸筋周辺構造

このことより小胸筋部分で圧痛や放散痛、ときに小胸筋の痙攣が生じることもあります。
これを俗に『小胸筋症候群(しょうきょうきんしょうこうぐん)』と言います。

実施方法

1. 患者さんを座位にさせます。
2. 検者は患者さんの患側に立ち、患者さんの手首を把握して橈骨動脈(前腕部の母指側にある)を触診します。
3. 検者は患者さんの脈を感じたら、そのまま肩関節を90°外転、肘関節を90°屈曲になるようにします。

ライトテスト(Wright’s test)

ライトテスト(Wright’s test)

4. この動作により、検者は患者さんの脈拍がどのように変化するかを観察します。
5. 同様に症状がない側も実施します。

結果の評価

このテストにより橈骨動脈の脈拍が減弱、または消失が認められたら陽性反応です。
症状がある側とない側を比較して検査結果がほとんど変化しない場合は検査結果は無効になります。

参考

小胸筋症候群は『胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)』に含まれる病態の1つです。
小胸筋症候群は肩関節を外転させたときに症状がより強く現れるため別名『過外転症候群(かがいてんしょうこうぐん)』と呼ばれることもあります。






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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
都内でトレーナーとして約20年活動し、その後、カイロプラクターとして約10年活動していました。
現在はフリーランスで活動していて主に健康や運動に関する情報を発信しています。

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