足の裏の痛みはどのようにして起こるのか? ハイアーチ(凹足)|原因・症状・足底筋膜炎との関係や改善する運動を徹底解説

ハイアーチ(凹足/おうそく)とは、足の甲が極端に高く、立位のときに土踏まずの部分が地面に接していない状態をいいます。足の甲が高く盛り上がっていることから、甲高(こうだか)と呼ばれることもあります。

足の裏には、内側縦足弓(ないそくじゅうそくきゅう)・外側縦足弓(がいそくじゅうそくきゅう)・横足弓(おうそくきゅう)と呼ばれる3つのアーチがあり、これらが足が地面に着地する際にスプリングの役目を果たし、身体に加わる衝撃を和らげる働きをします。

ハイアーチになると、アーチのスプリング機能の働きが悪くなり、足の裏が本来もつ能力(衝撃吸収や力の分散)をうまく発揮できなくなって、やがて下記のような様々な症状が現れるようになります。

ハイアーチによる主な症状

  • 体の重みを支えるのが、踵や親指・小指の付け根の「点」になるため、前足部や踵に大きなタコや角質ができる。
  • 足底筋膜炎(そくていきんまくえん)や踵骨棘(しょうこつきょく)が生じて、痛みを伴うようになる。
※「足底筋膜炎」とは、足の裏に薄い膜のように張った腱膜が炎症を起こしたり、断裂を起こしたりするもので、朝起きて最初の一歩がもっとも痛むのが特徴です。
※「骨棘」とは、骨にできる突起のことで、通常、正常な骨には見られません。踵骨棘(しょうこつきょく)は、踵の骨の足底側にできるとげ状の突起のことです。
  • 足裏の足底筋が縮んだままなので、スプリングのようなしなりに欠け、前足部と踵への負担が大きいため、ふくらはぎや足の裏が疲れやすく、よくつるようになります。
  • 着地衝撃がうまく吸収できないので、足裏だけでなく、膝や腰にも負担がかかりやすくなります。

なぜハイアーチになってしまうのか?

足底筋膜
足底筋膜

ハイアーチには、神経の麻痺や筋ジストロフィーが原因で起こるものと、アンバランスな筋肉の使い方を長期にわたり続けたことが原因になるものとがあります(今回の記事では、神経や遺伝によるハイアーチについては説明を割愛します)。

アンバランスな筋肉の使い方、なかでも、ハイヒールなど踵(かかと)が高い靴を履き続けたことが、直接の原因になることが多いようです。つま先立ちの状態が長期間続いたため(ヒールの高い靴を履き続けたことにより)、下腿部前面(前脛骨筋)と足底筋群(足の裏の筋肉)の釣り合いが取れなくなり、徐々に足の歪みが起こって、ハイアーチへと進行していきます。

一度ハイアーチになると、スニーカーなどヒールのない靴よりも、ヒールの高い靴を履いていた方が楽なので、好んでヒールの高い靴を履くようになります。こうなると、さらに足の歪みが進行して、重度のハイアーチになることもあります。

足裏の痛みを改善するための運動

ハイアーチになると、長腓骨筋・短腓骨筋が弱化し、前脛骨筋と足底筋群が過剰に緊張するようになります。つまり、ハイアーチを予防・改善するには、これらが起こらないようにすればよいのです。足の裏の運動はもちろんのこと、足の指の運動を行うこともとても重要です。具体的な運動方法は下記を参照してください。

長短腓骨筋を鍛える方法

長短腓骨筋を鍛える方法
長短腓骨筋を鍛える方法

  1. セラバンドを上記の写真のように足に巻きつけ、矢印の方向に、できるだけつま先を外側に開いていきます。
  2. 十分につま先を開いたら、ゆっくりとつま先を内側に閉じながら開始姿勢に戻ります。
  3. 以後、これらの動作を繰り返します。

足の裏を鍛える方法(その1)

タオルギャザー
足の裏を鍛える方法(その1)

  1. 座位で膝を屈曲し、タオルの上に足を置きます。
  2. 足趾の開閉を意識しながら、タオルを手前にたぐり寄せます。指先のみを使うのではなく、足裏全体を使って行ってください。
  3. 以後、これらの動作を繰り返します。

足の裏を鍛える方法(その2)

フットシャクトリー
足の裏を鍛える方法(その2)

  1. 座位で膝を屈曲し、床の上に足裏を置きます。足趾を十分に広げながら足首を背屈します。
  2. 足首を底屈し、足趾で床を捉えたら、その後、足趾を閉じながら足裏を屈曲させます。
  3. 以後、これらの動作を繰り返します。

前脛骨筋のストレッチ

前脛骨筋のストレッチ
前脛骨筋のストレッチ

  1. 正座になり、両手を後方に置きます。
  2. ストレッチする側の膝を床から持ち上げます。前脛骨筋に緊張を感じたら、その姿勢を20〜30秒維持しましょう。

足底筋のストレッチ

足底筋のストレッチ
足底筋のストレッチ

  1. 柔らかいストレッチマットなどの上で座位になります。
  2. 下腿から臀部を浮かせ、両足指を写真のように伸展させます。
  3. その後、浮かせてあった臀部を下腿にのせ、自重をかけながら足底筋をストレッチします。足底筋に緊張を感じたら、その姿勢を20〜30秒維持しましょう。

その他の予防・改善策

  • まず、必ずといっていいほどできているタコや魚の目を取り除くこと。
  • 正しい歩き方を心がけましょう。かかとが地面に接触したら、足の裏全体をつけるような感じで体重移動させ、母趾で地面を蹴るように意識します。
  • 必要に応じて、一人ひとりに合った足形を取り、中敷き(インソール)を作ります。靴での圧迫部分を保護して、痛みを軽減させることも大切です。

重度のハイアーチになると、場合によっては足底の腱膜や中足骨を切るなどの外科的手術治療が必要になることがあります。こうならないようにするためにも、早めにケアしておくことをおすすめします。

扁平足とは逆? ハイアーチの「隠れたつらさ」と受診の目安

足のアーチのトラブルというと「扁平足(土踏まずがつぶれて低い状態)」がよく知られていますが、ハイアーチはその逆で、アーチが高すぎる状態です。一見、土踏まずがしっかりあって「良い足」に見えるため、本人も周囲も問題に気づきにくいのが、ハイアーチの隠れたつらさです。

しかし、アーチは高すぎても低すぎても、衝撃を吸収するクッション機能はうまく働きません。ハイアーチは、足が硬く「しなり」に欠けるため、着地の衝撃が踵と前足部の限られた点に集中します。その結果、足底筋膜炎やタコ・足の疲れやすさだけでなく、衝撃が上へ伝わって膝・股関節・腰の痛みにつながることもあります。また、足の外側に体重がかかりやすく、足首をひねりやすい(捻挫しやすい)傾向が出ることもあります。

ハイアーチそのものは、軽度であればストレッチやインソールで付き合っていけることが多いですが、足底や踵の痛みが続く、足の変形が強い、しびれを伴う、頻繁に足首をひねる、といった場合は、神経や筋の病気が背景にあることもあるため、自己判断は禁物です。足の痛みが長引く場合は、整形外科などの医療機関を受診し、原因に応じたインソールやリハビリなどの相談をすることをおすすめします。

まとめ

ハイアーチ(凹足)は、土踏まずが高すぎて足の衝撃吸収がうまく働かず、踵や前足部に負担が集中して、タコや足底筋膜炎などの足裏の痛みを招く状態です。ハイヒールの常用などで、長短腓骨筋が弱り前脛骨筋・足底筋群が過緊張することが一因です。長短腓骨筋のトレーニングや足底筋のストレッチ、正しい歩き方、インソールが予防・改善に役立ちます。足裏の痛みが続く場合は、医療機関の受診をおすすめします。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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